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講義No.06172

リーダーシップは理論で表せるか? 人間行動の法則を読み解く

リーダーの行動は2つに分類できる?

 学校の部活や仲間の中で、リーダーになる人がいます。このリーダーがどんな行動をとっているかを調べてみると、2つの評価軸で分類できるという結果がでました。1つは、ほかの人たちに仕事のやり方や手順などをきちんと教えて、目的に沿ったグループを組織する「構造づくり」の行動です。もう1つは、場の雰囲気をよくしようとコミュニケーションを重視して、困っているメンバーに声をかけるなど、グループ内での調和や信頼感を生む「配慮」の行動です。これを、1950年代にオハイオ州立大学によって発表された「リーダーシップの二要因論」と言います。

現実は理論通りにいかないこともある

 さらに、どのようなリーダーがいるグループが高い成果を上げられるかを調査したところ、予想通り、「構造づくり」と「配慮」の行動が両方とも高いリーダーのいるグループが上位で、反対に2つの行動がともに低いリーダーのグループが最下位でした。
 しかし、必ずしもこの理論に当てはまるケースばかりではありません。例えば、やる気のないメンバーがいた場合、「配慮」の行動が高いリーダーよりは、厳しくメンバーに接するリーダーの方が、成果が上がることもあるのです。

人間行動の法則性を見つける面白さ

 人間の行動は環境や心理などさまざまな要因がからみあって複雑なものです。予定外の行動も頻発します。例えば朝、「今日は○○をしよう」と考えても、実際には別のことをしていたりしませんか? 人間の複雑な行動をシンプルな理論で説明することは、とても難しいものです。ですから、ある理論が発表されても当てはまらないケースが出てきて、それに当てはまるような理論を新たに生み出す……ということを繰り返す必要があるのです。
 経営学における「組織論」の分野では、組織の行動分析も盛んに行われています。ランダムに見える人間の行動に潜む法則性を突きつめていくことに、この学問の面白さがあります。


経営者の頭の中をのぞいてみよう

この学問が向いているかも 経営組織論、組織行動論、組織心理学

名古屋大学
経済学部  教授
犬塚 篤 先生

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先生がめざすSDGs
メッセージ

 私が高校生の時には、自分が大学の先生になることや、好きだった工学の分野を離れ経営学の研究をすることになるとは思ってもいませんでした。高校生のあなたは今、大学で何を勉強しようか迷っているかもしれませんが、私から言えるのは、理系だから文系の勉強はしなくていいとか、文系だから理系のことはわからなくていいと限定するのではなく、幅広い視点からものを見て、いろいろな人の考え方・思想に触れてほしいということです。それがあなたを育て、学生生活をより実り豊かなものにすると思います。

先生の学問へのきっかけ

 高校生の頃から、技術者になるのが夢でした。大学も工学部を卒業し、めでたく大手企業の技術者として5年間働きました。しかし、いざ社会に入ってみると、いろいろな疑問にぶつかることがありました。例えば、企業では正しい意見が通らないこともあるし、逆に正しくないやり方でもまぐれで成功して褒められることもあります。そうした状況の中で、従業員として美しく働くにはどうすればいいのかということを考えたくなって、会社を辞めて再び大学で経営学を一から勉強し始めました。苦労はしましたが、得たものは大きかったと思います。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

営業職/コンサルタント(経営企画、経営アドバイス)/起業

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犬塚 篤 先生がいらっしゃる
名古屋大学に関心を持ったら

 名古屋大学は、研究と教育の創造的な活動を通じて、豊かな文化の構築と科学・技術の発展に貢献してきました。「創造的な研究によって真理を探究」することをめざします。また名古屋大学は、「勇気ある知識人」を育てることを理念としています。基礎技術を「ものづくり」に結実させ、そのための仕組みや制度である「ことづくり」を構想し、数々の世界的な学術と産業を生む「ひとづくり」に努める風土のもと、既存の権威にとらわれない自由・闊達で国際性に富んだ学風を特色としています。この学風の上に、未来を切り拓く人を育てます。

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