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講義No.06163

曲がった空間をとらえる「リーマン幾何学」

曲がった空間

 あなたも地球が球体であることは知っていると思います。しかし、私たちが普段地上で暮らしていると、地表が湾曲していることを認識することは難しいでしょう。古代ギリシャ人は測量や天体観測から地球が球体であることを知っていて、さらに幾何学的考察からその半径も見積もっていたといいます。幾何学を意味する英語の「geometry」はもともと測量を表す言葉が語源となっています。
 地球儀を伸び縮みさせることなく、平面地図として正確に表すことはできません。球面の一部を切り取ってきて、それを平面に引き延ばそうとすると、どうしてもしわが寄ってしまうのです。これは球面が曲がっているからです。リーマン幾何学ではこのように曲がった空間を数学的に取り扱い、「曲率」という概念で空間の曲がり具合をとらえます。

宇宙空間は曲がっている!?

 宇宙というと平らな空間がどこまでも広がっているというイメージがありますが、アインシュタインの一般相対性理論によると、実は時空はぐにゃぐにゃと曲がっているのです。宇宙の中に住む私たちにとって、空間が曲がっているというのは、ちょっと理解しにくいかもしれません。光は空間を最短距離で進むという原理がありますが、そのような軌跡をリーマン幾何学では「測地線」と呼びます。光の軌跡を観測することによって、実際に宇宙は曲がっていることを知ることができます。

「微分幾何学」で宇宙の形を探る

 空間の曲がり具合、空間の構造を数学的に解き明かすというのは、容易なことではありません。曲面など二次元のものは図に表せますが、高次元になると、それを図に表すことはできず、イメージすることさえも難しくなるからです。微分幾何学ではこのような空間を数式によって表し、その幾何学的な性質を明らかにします。微分幾何学は歴史的にも理論物理学と相互に影響を与えながら発展してきました。いつの日か宇宙全体の形が解明され、リーマン幾何学によって表された宇宙地図を使って宇宙旅行をする日が来るかもしれません。

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この学問が向いているかも 微分幾何学

首都大学東京
理学部 数理科学科 准教授
酒井 高司 先生

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メッセージ

 現代の幾何学は「図形」というよりは「空間」を扱う学問となっています。ある種の条件下で最適な形を探すという「幾何学的変分問題」は、難しい問題ですが、数学のさまざまな分野や物理学など自然科学とも深く関わりがあり、やりがいがあります。高校で学ぶ数学は、問題を解くことが中心になりますが、数学を深く理解するためには、問題の裏にある理論を体系的に理解することが大切です。そうした理論を学ぶために、ぜひ、たくさんのことに興味を持ってください。数学的思考は、疑問を持つところから生まれてくるのです。

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