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講義No.06151

光の粒と電子の検出で見えなかった世界を見る!

光の粒をとらえる技術

 フォトン(光の粒)1個をとらえることができる「センシング」が、医療や物理の分野を大きく前進させています。センシングとはセンサーを使って計測・観測・判別する技術のことで、「単一フォトン検出器」というこのセンシング機器は、光をフォトン1個の単位で数えることができる高感度な光検出器です。例えば、GFPなどの光るタンパク質を使って細胞内の分子の動きを見たり、宇宙観測に利用される「ニュートリノ」という素粒子の検出に使われたり、これまで見えなかったものが見えるようになりました。また、盗聴されない未来の通信システムに使う技術にも、単一フォトン検出器が使われています。

電子1個を検出するナノデバイスで問題解決

 従来の単一フォトン検出器は、真空管や固体デバイスで、フォトンを電子に変えた後で数を増やしてから検出する方法が主流でした。しかし、それには高電圧が必要で装置が複雑になったり、光が入らないときにも誤って作動したりするなどの問題がありました。これらを解決しようと、電子1個を確実に数えることができるナノデバイスの技術を、単一フォトン検出器に応用する研究が行われています。フォトンを電子に変えた後、数を増やさずにそのまま1個ずつ検出することで、低い電圧で使用でき、誤動作も従来の1万分の1に減らして感度を上げることができるのです。

光を集めるアンテナも開発中

 ただし、この電子1個を数えるナノデバイスを用いた単一フォトン検出器にも弱点があります。それは電子を検出するためにデバイスを小さくつくるのですが、小さくしすぎると光がデバイスを通り抜けてしまうことです。現在では、これを改善するため、光を集めてデバイスに効率よく吸収させるアンテナ「表面プラズモンアンテナ」が開発されています。
 センシングは今後も進歩を続け、見えなかった世界が少しずつ明らかになっていくことでしょう。

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この学問が向いているかも 電子物質科学、電気・電子工学、材料工学

静岡大学
工学部 電子物質科学科 教授
猪川 洋 先生

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メッセージ

 私は子どものころからラジオやオーディオ機器をつくることが好きで、大学では電子工学科に進みましたが、「イオンを使った薄膜形成」という材料工学に近い研究をしていました。卒業後は企業でシリコンのLSI(大規模集積回路)に使う電子デバイスの研究開発を行い、今は大学でナノデバイスの研究をしています。これらの経験から、新しい学問や技術分野を切りひらくために大切なのは「自分の好きなことを見つけること」「専門分野以外にも広く興味を持ち知識の融合を図ること」だと感じています。あなたのチャレンジに期待しています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

東京大学大学院→旭硝子(株)、(株)デンソー、本田技研工業(株)、ヤマハ発動機(株)、浜松ホトニクス(株)、シンフォニアテクノロジー㈱、日本車輌製造(株)、オムロン(株)、日本特殊陶業㈱、(株)豊田自動織機など

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 静岡大学は、6学部19学科と全学横断型教育プログラム「地域創造学環」を擁する総合大学のメリットを生かし、学生の知的探究心に応えることができる幅広い学問領域の教育を実施しています。大学のビジョンは「自由啓発・未来創成」であり、これは自由によってこそ自己啓発を可能にし、それを通じて、平和かつ幸福な未来を創り出すとの力強い思いを表明しています。

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