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講義No.06107

血糖値を上げない「食べ方や食品」を科学的に証明する栄養学

太った人もやせた人も糖尿病になる?

 糖尿病は、内臓に脂肪がついた肥満の人に多い病気とされています。食事をして血液中に糖分が増えると、通常はインスリンが減らしてくれますが、内臓の脂肪はそのインスリンの働きを妨げてしまうからです。血液中に糖分が多い状態が続くと、血管にダメージを与え、臓器や細胞に炎症を起こし、細胞に害を及ぼす活性酸素を除去できず、さまざまな病気をひき起こします。やせた内臓脂肪の少ない人でも、スポーツ飲料や炭酸飲料などの血糖値(血液中の糖分値)が急激に上がる食品をとり続けると、糖尿病にかかりやすくなります。

血糖値を上げない「食べ方や食品」とは?

 そこで大切なのが、血糖値を上げない食べ方を心がけることです。急がずにゆっくり食べる、消化吸収に時間のかかる野菜を先に食べることが重要で、主食は白米よりも糠(ぬか)と胚芽のついた玄米がおすすめです。
 糖分の消化吸収を穏やかにするものとしては、例えば、消化しにくい構造に変えたでんぷんの一種・難消化性デキストリンは、消化されずに腸にたどりついて食物繊維のような働きをします。水に溶けやすく、扱いやすいので、さまざまな食品に利用されています。

予防医学を担う最先端の栄養学

 なかでも、特定の保健の効果が科学的に証明されている食品は特定保健用食品、通称「トクホ」と呼ばれます。
 トクホとして認定されるには、対象となる人や、一日の摂取量、保健の用途、関与する成分などを明確にして、効果が証明されなければなりません。現在、抗酸化作用を持つカテキン、フラボノイドなど、重要な成分が次々と見つかっていますが、トクホとして認定・利用されるためには、実験でデータを積み上げ、学問的根拠を示す必要があるのです。
 ほかにも研究成果として「ビタミンA・Dが体内でホルモンと同じ働きをする」「栄養素が遺伝子の働き方に関係している」などの発見が相次ぎ、栄養学・栄養科学は今、予防医学を担う最先端の研究分野として注目されています。

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この学問が向いているかも 栄養学、保健学

静岡県立大学
食品栄養科学部 栄養生命科学科 教授
合田 敏尚 先生

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メッセージ

 医療の研究分野には医学・薬学・看護学・栄養学などがありますが、その中でも栄養学は予防医学の重要な分野です。健康をいかに維持し、食生活によっていかに病気を防ぐかという領域で、現在、脚光を浴びています。
 食品の中にはさまざまな栄養素が含まれていますが、栄養素は細胞の遺伝子の発現の仕方を変える重要なシグナルとして働いていることが最近わかってきました。食べ方を整えたり、食品を選択したりすることによって、病気の発症を防ぐことができるのです。栄養学にぜひ関心を持って、この分野を究めてください。

先生の学問へのきっかけ

 私は幼い頃から研究者になりたいと考えていました。進学のために北海道から東京にきて、東京タワーにのぼりました。人や車がとても小さいのに、ちゃんと動いている、これだけたくさんの人がいて、さまざまな思いを抱いて生きている、この人たち全員を幸福にできる研究や仕事がしたいと、そのときに思ったのです。そして、大学では保健学の中でも「体を支える物質的な根拠をもっと明らかにしたい」との思いから、栄養学を選択しました。人の「幸福」は、体の健康・社会的な健康・精神的な健康、すべてが整ってこそだと考えています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

総合病院管理栄養士/官公庁健康増進事業企画/食品会社研究員/バイオ関連サービス会社研究員/学校栄養職員/大学教員

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合田 敏尚 先生がいらっしゃる
静岡県立大学に関心を持ったら

 静岡県立大学は、5学部9学科を有し、国際化・情報化・高齢化・環境問題という21世紀における最重要課題を展望しつつ、新しい時代を支える有為な人材の育成を目的としています。自主性や公共性を強く意識し、地域社会からの評価を得られるように、大交流時代において選ばれる大学を目指します。研究分野では、文科省のグローバルCOEプログラムに採択され、研究レベルが国内トップクラスといえます。

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