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講義No.06032

砂漠で食糧を生産して、緑化する

砂漠で育つ、野生のスイカ

 アフリカ南部のカラハリ砂漠には、野生のスイカが自生しています。砂漠ですから、水の少ない乾燥地です。このような過酷な環境で育つ野生のスイカには、どのような秘密があるのでしょうか。
 野生のスイカは根がとても長く、地中深くから水分を吸収することができます。そのため雨の少ない砂漠地帯でも育つことができるのです。また野生のスイカの葉の表面は少し白くなっています。これはワックスを塗ったような状態で、光を反射できるようになっていて、強い日照の砂漠の環境で余分な光を吸収せずに、ストレスに強い性質を持てる仕組みです。

遺伝子組換えで、乾燥地でも育つ

 そしてもっと強いスイカを生産するために、遺伝子の研究が行われています。厳しい環境の中で生き抜いていくための、根を長く伸ばしたり、ワックスを生み出したりする遺伝子の仕組みを解明すれば、ほかの植物にも応用できます。
 例えばトウモロコシやイネなどの主食となる植物に、乾燥地でも育つ野生のスイカのような遺伝子を組み込めば砂漠でも栽培することができます。イネは日本では水田で栽培されていて、大量の水が必要です。しかし、すでに水が少なくても育てられるイネの品種が遺伝子組換えで作られています。また技術的にはまだ進んでいませんが、パンやパスタの原料となる小麦の遺伝子組換えも研究されています。

砂漠を緑化し、食糧危機に備える

 近い将来には地球の人口が増加し、食糧危機の時代が来ると言われています。そのため、現在は食糧生産には向いていないと言われている砂漠などの乾燥地帯でトウモロコシやイネ、小麦などが収穫できれば、世界全体として食糧不足の改善に役立ちます。また、地球環境の悪化を食い止めるために、砂漠の耕地としての緑化は重要な意味を持っています。さらに遺伝子組換えで、バイオ燃料の原料となる「ジャトロファ(ナンヨウアブラギリ)」などの植物の栽培にも期待が集まっています。

乾燥地植物の環境耐性機構の解明と分子育種

夢ナビライブ2018 大阪会場

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感想に強い植物:野生スイカ

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乾燥に強い遺伝子を特定する方法

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乾燥につよい品種をつくる!

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この学問が向いているかも 植物分子生物学

鳥取大学
農学部 生命環境農学科 農芸化学コース 教授
明石 欣也 先生

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メッセージ

 私たちの研究室では、乾燥地の研究に力を入れています。その中でも乾燥地で栽培できるバイオ燃料植物「ジャトロファ(ナンヨウアブラギリ)」の研究をしています。その遺伝子を調べ、油を生産する仕組みを調べることによって将来的には乾燥地でバイオ燃料を大量に作ることをめざしています。
 また砂漠で育つスイカの、乾燥に耐える仕組みを研究しています。将来、乾燥に強い作物を作りだして砂漠を緑化するためです。砂漠の緑化に興味のある人は、ぜひ鳥取大学へ来てください。

先生の学問へのきっかけ

 砂漠を初めて訪れたのは、モロッコ南部のサハラ砂漠でした。特に乾燥した厳しい気候でも植物がちゃんと生きているということが驚きでした。その後、厳しい気候で生存する生物の仕組みを研究する学問分野があることを知り、とても興味を持ちました。そして、その分野に進み、植物がそれぞれの環境で生存するために、多様なメカニズムを発達させているということを知りました。さらに、仕組みを理解するだけでなく、人々の役に立つような資源や技術を作ることができることに興味を覚え、研究を続けています。

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明石 欣也 先生がいらっしゃる
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 鳥取大学は、教育研究の理念に「知と実践の融合」を掲げ、高等教育の中核としての大学の役割である、人格形成、能力開発、知識の伝授、知的生産活動、文明・文化の継承と発展等に関する学問を教育・研究し、知識のみに偏重することなく、実践できる能力をつけるように努力しています。また、研究・教育拠点、幅広い専門的職業人の養成、地域の生涯学習機会の拠点、社会貢献機能など個性輝く大学を目ざし、地方大学にこそ求められるオンリーワンの研究開発を行い、社会に貢献し、国際的競争力を確保できる大学運営を目ざしています。

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