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講義No.05953

景観デザイン―快適な都市のつくり方

場所の「らしさ」を生かす景観デザイン

 「景観デザイン」とは、魅力ある「景観」、「風景」を形成するために、公園や街路、河川などの公共施設をデザインする仕事です。「デザイン」というと新しいものをつくると思われがちですが、今ある魅力を生かしながらよりよい公共空間にするというのも大きな役割です。景観デザインで重要なのはその場所にしかない「らしさ」を生かしたデザインにすることです。まずはその場所の「らしさ」とは何かを考えることから始め、ときには住民から直接その街の歴史や問題点などを聞き取り、課題を洗い出すことも行います。

検証! 警固公園―都市問題を解決するデザイン

 福岡市の中心部にある警固(けご)公園がリニューアルされました。市街地の中心にある憩いの場所として親しまれていた公園でしたが、見通しが悪く、暗がりの多いことが問題でした。そこで、もっと見通しをよくしつつ周りの風景を生かしたデザインにし、さらに人が集まる公園にすることで、防犯効果を高める工夫をしました。このように、デザインを駆使することで都市に潜む問題や課題を解決するケースもあります。

時代に通用する「美しい都市」のデザイン

 時代によって「美しい」とされるものは変わっていきます。パリのエッフェル塔も、建てられた当初は街に合わないとして批判を浴びましたが、今やその景観は、世界から観光客の訪れる名所となっています。都市における公共施設の景観デザインにおいては長期的なスパンでとらえ時代に通用するデザインを考えていかなければなりません。自然や地形などその土地の環境や歴史を重んじることも、重要な景観デザインのポイントです。また、独りよがりなド派手なデザインにしないことも重要ですし、皆が普通だと思う当たり障りのないデザインも魅力がありません。そうした調和のとれた設計をめざすところに「景観デザイン」の面白味があります。多くの市民に親しんでもらえる場所を生み出せるのも醍醐味です。


景観デザイン―快適な都市のつくり方

この学問が向いているかも 景観工学、都市計画学

福岡大学
工学部 社会デザイン工学科 教授
柴田 久 先生

メッセージ

 私の研修室は「景観まちづくり研究室」と言います。あなたは「景観デザイン」という仕事を知っていますか? 人々が暮らす地域やまちの風景を生かしながら、公園や街路、河川など公共空間の設計や計画を行う仕事です。「景観工学」を学ぶと、社会基盤や環境系部署の公務員、さらに建設コンサルタントや建築設計事務所などに就職し、景観デザインに携わることができます。高校生のあなたは仕事や学問などについて、知らないことがたくさんあることにまず気づきましょう。幅広い視野を持ち、将来の夢や進路に向かって頑張ってください。

先生の学問へのきっかけ

 子どもの頃から工作や絵が得意で、厚紙で建物を作ったり、裏紙に道路を描いたりして、部屋に街を作って遊んでいました。高校生の頃には、いろいろな建物や場所で「人がどう楽しんでいるか」が気になっていました。「どんな美しい場所でも、人がいないとつまらない」と感じ、公園など公共の場のデザインを考える分野って何だろうと漠然と思っていたとき『風景学入門』という本に出会い、風景をつくる学問があることを知りました。今では、人々が快適に暮らすデザインを考えるという夢を実現させ、「景観デザイン」を専門としています。

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柴田 久 先生がいらっしゃる
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 福岡大学は、9学部31学科、在学生2万人を有する総合大学です。多くの学生や教職員が行き交う広大なキャンパスは福岡市の南西部に位置し、都心部との交通の便もよく、活気に満ちあふれています。「ワンキャンパス」に全学部が集結しており、総合大学の魅力を生かし、学問・研究および課外活動などにおいて学部間の交流が盛んに行われ、文系・理系だけにとどまらない幅広く多様な視野と知識を得ることが可能な大学です。また、創立から80数年で輩出した卒業生総数は25万人を超え、あらゆる分野で力を発揮しています。

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