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講義No.05907

地域らしい、まち・むら・住まいをデザインしよう

時を重ねてできる暮らしのかたち

 ニューヨークや東京など、常に更新が図られる巨大都市はさておき、私たちの住む地域には、家や庭、田畑や工場、川辺や山林が、当たり前のように存在しています。東日本大震災のような災害を経験すると、この当たり前の環境が大切だったことを思い知らされます。携帯電話や自動車は新しいほうが格好良いかもしれませんが、住まいやまちなみは、時を重ねたほうが美しいと考えることもできます。東北地方には、地域らしい住まいやまちなみ、祭や食文化などが残っていますが、重要なのは、それらを持続させている人々と生業(なりわい)です。港町や宿場町など、生業を中心として地域はかたちづくられ、時を重ねた住まいやまちの「景」を形成しています。

風景を読み解き、デザインする

 昔から続く養蚕農家、石屋根の技を守る職人、温泉宿の湯守、農機具の鍛冶職人など、東北各地には私たちが持続可能な地域を取り戻すうえでヒントとなるような、地域資源を生かした生業に従事している人々がおり、そこには美しい風景があります。社会は日々、先端技術を採り入れていきますが、だからこそ、地域の資源と向きあっている生業が輝きを放ちます。建築学は本来、こういう暮らしを包みこむためにあるはずなのです。

環境・資源の豊かな東北地方

 にぎわいと商売が中心となるアーバンエリア(都市)に対し、ルーラルエリア(地方)は、味わいとものづくりを追求できる場所です。東北はその理想の地だと言えるでしょう。そして、それを成り立たせる空間が重要です。建築や住宅はもちろん、作業屋や畑、あるいは被災地の慰霊碑など、身の回りは「空間造形」のデザイン対象が溢れています。人口減少といいますが、古びた民家のリノベーションなどは、やり甲斐のある仕事です。それは現代的でエコロジカルな空間造形の一方法です。住む人がよく手入れし続けた住まいやまちなみを「継承」して、少しずつ問題解決をしていくと、地域には味わいが出てくるのです。


この学問が向いているかも 住居学、建築学、地理学

東北工業大学
ライフデザイン学部 生活デザイン学科 教授
大沼 正寛 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 自分の住んでいる街を散策してみてください。いろいろな住まいや町並みがあると思います。自分の身の回りにあるこうした資源は、安全安心なくらしのためにとても重要で、そのことを大震災は教えてくれました。また、住んでいる地域を飛び出して、旅に出ることもおすすめします。それによって、自分の住む家や地域の価値に気づくことができるでしょう。そんな身の回りのくらし、住まいや社会システムを考える研究が「住環境デザイン」という分野です。せひ、一緒に学びましょう。

先生の学問へのきっかけ

 建築学科の建築設計の研究室で学びました。当時は近代的なビルのデザインなどが主流でしたが、卒業研究で「岩手県金ケ崎町の町並み保存」というテーマを選び、住み込みで調査しました。その調査で住まいの歴史性と奥深さにはまり、卒業設計では、そこで出会った酪農家のチーズ工場をデザインしました。そんな風土に触れたからこそ、時間とともに味わいが増す住まいや建築に興味がわき、ものづくりで実践したいと考え、建築設計の仕事に就いたのです。大学教員になったとき、仕事の経験で得たリアルな感覚は、迷いのないものになりました。

大学アイコン
大沼 正寛 先生がいらっしゃる
東北工業大学に関心を持ったら

 本学では、「創造から統合へ」をユニバーシティスローガンに掲げ1964年の創設以来、3万人を超える卒業生を輩出し、日本の、とりわけ東北地域の産業・経済の発展に大きく貢献してきました。自然に囲まれた豊かな環境でありながら、仙台市街地にも近く利便性の良い 「八木山キャンパス」「長町キャンパス」の両キャンパスで創造的な思考を学ぶべく、最先端の環境を整え、学生の期待と意欲に応えるカリキュラムを用意しております。
 進化し続ける学びのステージ。それが東北工業大学です。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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