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講義No.05769

レアアースの採掘、利用の3つの課題

地球規模でレアアースを探す

 携帯電話やカメラなど、日常的に使っている電子機器に使用されているレアアースは、中国でほとんど生産しています。日中関係が悪化した時期に中国が輸出量を制限したことで、安定供給に不安が生じました。そのため、別の場所でレアアースを得ることが急務となり、日本は地球規模でレアアースを探しています。探す技術、取り出す技術とも、現在、研究が進行中です。しかし、レアアースの生産には3つの大きな課題があります。

放射能とコストの課題

 まず挙げられるのが、放射能の問題です。レアアースは、ウランやトリウムといった放射性元素と挙動が似ているので、レアアースを精製したときに、中に放射性物質が含まれることがあります。これを分離してどこかに隔離しなくてはいけません。
 次に、コストの問題です。レアアースの現在の主要産出国である中国の鉱床には磁鉄鉱が含まれているので、鉄鉱石生産の副産物としてレアアースを生産することができます。それで中国のレアアースは安価なのです。新しくレアアースを採掘するならば、対抗できる価格で生産できなくてはいけません。つまりいかに高濃度の鉱石を探すかが問題です。ちなみに経済性という面から考えると、南鳥島で見つかったレアアースが利用できるのは、もう少し先のことになるだろうと考えられています。

待望される新技術の確立

 最後に、鉱物からレアアースを取り出す方法が大きな課題です。中国の鉱山では土のような状態のものに硫酸アンモニウムの水溶液をかけてレアアースを取り出す方法をとっています。これは非常に簡単かつ安価な技術です。ところが石の状態の鉱物からレアアースを溶かして取り出す技術はまだ確立されていません。コスト面も合わせて考えると、科学的な発明による飛躍的な技術の進歩(ブレークスルー)が必要だといえます。
 このような課題を乗り越えるべく、レアアースを取り出す技術の研究は日進月歩で進んでいます。

参考資料
1:レアアースを含んだ石・レアアース(右上ケース内)

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この学問が向いているかも 鉱床学

秋田大学
国際資源学部 国際資源学科 資源地球科学コース 教授
渡辺 寧 先生

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メッセージ

 これからの産業を維持するうえで、資源を確保するのは人類共通の課題です。やらなくてはいけないし、やりがいのある仕事です。さらにこの学問の魅力は、世界中を旅して、自然に接することができるところにもあるでしょう。
 いろいろな国々の人と一緒に調査や仕事ができるところも、おもしろい点です。海外では、日本人が思うようなペースでものごとが進むことはないので、柔軟性が養われます。
 岩石や鉱物が好きな人、世界中のあちこちに行ってみたい人、冒険してみたい人はぜひこの分野に来てください。

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 地球を舞台に活躍する資源スペシャリストを養成する「国際資源学部」、教育分野や地域社会における現場実践力を養う「教育文化学部」、地域医療の核となり人々の健康と福祉に貢献する「医学部」、独創的な発想と技術力を育む「理工学部」の四学部が連携し、地域に根ざし世界に発信する教育・研究拠点をめざしています。
 四季の彩り豊かなキャンパスでは、日本全国そして世界各国から集った学生がそれぞれの目標に向かい、勉学や課外活動に打ち込んでいます。

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