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九州工業大学 大学院生命体工学研究科の教員によるミニ講義

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太陽光から、最も効率よくエネルギーを産生するためのチャレンジ

現状の太陽光発電は、決して「おトク」じゃない

 「太陽光発電」は、大きな可能性を秘めたエネルギー生産方式です。ただし現状のままでは、環境問題の解決に本当に寄与しているとは言えません。一般的な太陽電池パネルを製造するためには、大量のエネルギーが必要であり、生産コストも割高だからです。
 補助金制度があるおかげで、「一般家庭でも10~15年で元が取れる」と言われていますが、もしも補助金がなければ、さらに割高になるでしょう。

軽く薄く、安価に作れる「有機薄膜太陽電池」

 製造コストを抑え、発電性能を高め、さらにどこにでも設置できるような太陽電池を開発する研究が、各方面で進められています。その結果、従来のシリコンではなく、有機物(プラスチックなど)で発電させる「有機薄膜太陽電池」が誕生しました。有機物の薄膜を印刷のような工程で塗布するので、製造コストを安価にできます。軽く薄く作れて、曲げることや着色することも可能なので、建物の屋根だけでなく壁や窓、電気自動車のボディなど、あらゆる場所で発電することができるのです。

高効率な発電のため、あらゆる可能性に挑戦

 プラスを帯びやすい「p型」物質と、マイナスを帯びやすい「n型」物質を組み合わせるという基本構造は、シリコン製太陽電池も有機薄膜太陽電池も同じです。そうした既存の方法ではなく、液体素材を用いた太陽電池や、植物の光合成と同じ仕組みで発電するデバイスの研究も、積極的に進められています。また、太陽光で水から水素を取り出し、燃料電池を使って発電する方法も実験されています。手間はかかりますが、水素は貯めておくことができるので、場合によっては高効率な発電方式になるかもしれません。
 環境保全や省資源に本腰を入れて取り組まなければならない現代、太陽光から効率よくエネルギーを生み出すために、あらゆる可能性にチャレンジする姿勢が大切なのです。

自然から電気を取り出す太陽光発電の未来像

夢ナビライブ2016 福岡会場

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太陽電池の構造

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この学問が向いているかも 高分子化学、ナノ材料学


大学院生命体工学研究科 生体機能応用工学専攻 教授
早瀬 修二

メッセージ

 現在、一般家庭や事業所の屋根、メガソーラー発電所などで、多くの太陽電池が使われています。この太陽電池を、もっと安価に大量に製造するための技術開発が、私の研究分野です。薄く、軽く、曲げることができて、屋根や地面だけでなく、室内をはじめいろいろな場所の光を電気に変換できる、画期的な太陽電池を研究しています。
 今後、エネルギー問題はますます深刻さを増していくでしょう。エネルギー枯渇問題を解決できるような研究に、興味を持っているあなたをお待ちしています。

先生の学問へのきっかけ

 1990年代により容易に作製できる新しい太陽電池が発明されました。そこに自分たちがこれまで研究してきた材料が応用できるのではないかと考えたのが、太陽電池の研究を始めたきっかけです。また、当時は世の中も新しい再生可能エネルギーを生み出す方法を模索している時代でもあり、太陽電池はその一つとして期待されていました。社会的なニーズとこれまでの研究がうまくマッチしたのが太陽電池の研究でした。
 太陽光発電は、将来の電力供給の一翼を担う技術として注目を集めていますが、改良しなければならないことも多くあります。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

大学院修了生は、その専門性を生かして、大企業の太陽電池、その他エネルギー関係(燃料電池、二次電池等)の研究開発に携わっています。また、基礎的な知識が応用できる自動車メーカー、電機メーカー等での技術者として活躍しています。

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