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九州工業大学 工学部の教員による講義

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超伝導を、冷蔵庫で発生させる研究

電気抵抗ゼロの「夢の送電線」が生まれる

 「超伝導」という言葉を、耳にしたことはありますか。金属の温度を超低温にすると、電気抵抗がほぼゼロになる現象のことを「超伝導」と呼びます。電気を運ぶとき、送電線が長くなるほど電気抵抗は大きくなり、電流が大きくなるほど抵抗による熱が発生します。それらすべてがエネルギー損失につながるのですが、仮に送電線全体を超伝導体にできれば、エネルギー損失はゼロになり、大電流を流しても発熱しなくなります。

新素材の開発で、超伝導現象の応用が加速

 超伝導の理論は、100年ほど前から知られていました。ただ、この現象を発生させるには、高価な液体ヘリウムを使って金属の温度を絶対零度(0ケルビン/-273℃)近くまで下げなければならなかったため、当初、工業的に実用化するのは困難と考えられていたのです。しかし、その後の研究で、安価な超低温物質である液体窒素の沸点(77ケルビン/-196℃)前後で、超伝導体となる素材が誕生しました。それを機に、超伝導現象の実用化実験が進み始めました。大型医療機関などに設置されている「MRI」や、JR東海などが開発を進めている「超電導リニア」などが、超伝導現象を応用した工業製品です。

「冷蔵庫の中で超伝導」をめざす

 現在、特定の環境下でなら、-110℃あたりで超伝導現象を発生する素材が開発されています。しかし、さらに多くの用途で超伝導を活用するには、一般的な低温環境(冷蔵庫内の温度程度)でも機能する超伝導体が必要です。
 我が国では、一部のレアアースや酸化物質を用いた新型超伝導体の研究が、JSPS(日本学術振興会)やJST(科学技術振興機構)の支援により進められています。研究が結実すれば、例えばサハラ砂漠のような、日照量が多く用地も確保しやすい地域に巨大な太陽光発電施設をつくり、数万kmの送電ケーブルで各国に送電するといった、画期的なエネルギー輸送が可能になるのです。

この学問が向いているかも 材料科学、材料工学


工学部 マテリアル工学科 教授
松本 要 先生

先生の著書
メッセージ

 「エネルギー環境材料学」と呼ばれる分野の中でも、特に「超伝導」材料の研究が、私の研究の専門分野です。
 電気抵抗がゼロになる超伝導現象を利用すれば、エネルギーの損失が発生しない新しい電力ネットワーク社会が構築できるかもしれません。21世紀に入り、エネルギーと環境の問題は顕在化しています。そんな中で超伝導材料は、今後大いに活躍することが予想されます。
 エネルギーや新材料の開発に興味があるなら、ぜひ私たちの研究に参加してください。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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