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講義No.05601

洋上風力発電が、未来のエネルギー問題を解決する

進む「洋上風力発電」の導入

 環境にやさしいエネルギー源として、風力発電の導入が世界中で急速に進んでいます。再生可能エネルギーには太陽光発電もありますが、現状ではコスト面で実用化にはまだまだ問題があります。それに比べて安く発電できる風力発電はすでに世界中で原子力発電所200基ほどの設備が導入されています。陸上では景観や騒音、環境破壊などの問題があり適地が減っていることから、最近では海の上に風車を設置する洋上風力発電の導入が本格的に始まっています。英国では近い将来に全電力の3分の1程度は洋上風力発電でまかなうことを決めています。

最適な場所を選定する

 海の中のどの場所に洋上風力発電所を設置するかがとても重要なポイントになります。周辺海域の過去の気象データをもとにコンピュータによるシミュレーションを行うことにより、最適の場所、つまり風の強い場所を選ぶのです。しかし、日本の場合には台風が来て強すぎる風が吹くことがあるので、場所の選定には綿密な計算が必要です。また海では漁業との共存も考えていかなければならないなど、乗り越えなければならないハードルもまだまだあります。

「フクシマ」復興のシンボルに

 洋上風力発電は海底まで50mぐらいの水深であれば、風車の基礎を海底に打ち込むか、重しを付けて置くかの着床式と呼ばれる方法で建造します。それ以上の海の深さであれば浮体(ふたい)式、つまり、海上に船のように浮かべた土台の上に風車を設置する方式があります。2013年に洋上風力発電の研究が福島県沖で始まり、2016年までに浮体式の3基の風車が建造されています。東日本大震災による福島原子力発電所の事故で、はからずも世界的に有名になってしまった「フクシマ」は、その沖に世界最大級の洋上風力発電所が本格的に稼働すれば、復興の大きなシンボルとしての役割も果たすことになるでしょう。

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この学問が向いているかも 海洋気象学

神戸大学
海事科学部 海洋安全システム科学科 准教授
大澤 輝夫 先生

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メッセージ

 私の研究室では、気象学や海洋学といった自然科学から、その知識を用いてエネルギー問題の解決に向けて期待が高まっている洋上風力発電や船舶の安全航行といった、社会に役立つ応用研究までを行っています。最近は暗い話が多く、なかなかいいニュースがありませんが、研究を通して明るい未来を作っていきたいと思っています。海とか空とかの自然が好きで、さらに社会の役に立ちたいと思っている高校生のあなたの来学を待っています。

先生の学問へのきっかけ

 学生時代は理学部で気象学の研究を行っていました。その後、環境やエネルギーに関する学科に、大学教員として就職したのがきっかけで、風力発電の研究を始めました。そして海事科学部に入り海洋という研究フィールドを得たのです。現在のテーマの洋上風力発電は、こうした研究経歴からたどり着いた結果です。この研究分野は、機械工学から電気工学、土木工学、海洋工学などなど、挙げればキリがないほど多岐にわたります。「風力エネルギー資源量の調査」や「風力発電所の適地の選定」「発電量の予測」などの研究を行っています。

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 また、神戸大学では、人文・人間系、社会系、自然系、生命・医学系のいずれの学術分野においても世界トップレベルの学術研究を推進すると共に、世界に開かれた国際都市神戸に立地する大学として、 国際的で先端的な研究・教育の拠点になることを目指します。

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