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講義No.05479

コンピュータが「文字」を認識できたら何ができる?

「文字」から多くの情報を獲得

 私たちは看板や標識などの文字を一つひとつ認識することで、目的の場所に行ったり、さまざまなものを判別し、使いこなしたりしています。文字から多くの情報を得ることで、毎日の生活を円滑に送っているとも言えます。ただ、看板など文字量の多い街中や、外国語を用いる海外などでは、必要な文字を探し出したり、読み解いたりすることが困難な場合もあります。現在、風景などの画像から、コンピュータを使って文字を検索し、判読する「文字認識」技術の研究が行われています。

外出支援サービスへの活用も

 今、研究されているシステムは、手書きや斜めなどの文字でも認識でき、処理速度が速いことが特徴です。実際に街中でさまざまなパターンの文字をカメラで撮影し、その膨大な画像をデータベースに蓄積することで、精度と処理速度の向上を図っています。将来的には、音声機能と連動させ、視覚障がい者に信号や横断歩道などを知らせて、外出をサポートするシステムが開発される可能性もあります。また、翻訳機能と組み合わせれば、街中の文字が翻訳されて、海外でスムーズに目的地に行けるというサービスにも活用できます。このように、文字認識は、多彩な分野で幅広く応用できる技術でもあるのです。

見たり読んだりした文字から、その人がわかる!?

 「アイトラッカー」と、文書画像の検索を組み合わせた「リーディング・ライフログ」という取り組みも行われています。アイトラッカーとは、メガネのように人の顔に装着する機械が眼の動きを察知し、人が見たものを記録する技術です。その人が1日に何文字を見たり読んだりしたかという、「万歩計」ならぬ「万語計」ともいえる使い方ができます。日常生活の中で触れた「文字」から、書籍、看板、標識などを特定し、分析することで、その人の趣味、志向、生活パターンなどを知ることもできます。これらの分析結果は、企業の販促計画や商品開発のためのマーケティングデータをはじめ、顧客サポートを充実させるヒントとしても有効と考えられています。


この学問が向いているかも 情報工学

大阪公立大学※2022年4月大阪市立大学と大阪府立大学の統合による開学
工学部 情報工学科 准教授
岩村 雅一 先生

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メッセージ

 画像、文字、顔などの認識は、人には簡単なのに、機械には簡単ではありません。人ができるのだから、機械にも人と同じ方法で認識させればいいと思うかもしれませんが、誰も自分がどうやって認識しているのかを知らないのです。ここにこの問題のおもしろさがあります。認識の確かさではまだまだ機械は人に及びませんが、大量・高速な処理においては人の能力を大きく上回っています。機械の性能を上げることも重要ですが、人と機械の長所をうまく組み合わせることで、私たちの暮らしがより便利に豊かになればと思っています。

先生の学問へのきっかけ

 幼い頃から機械に興味があったようで、3歳の時には買ってもらったゲーム機をさっそくその日のうちに分解してしまい、元に戻せなくなって叱られたことを覚えています。誰も考えたことがないことを考えるのが好きで、新しいアイデアを思いつくたびに母に話していましたが、「おまえの考えるようなことはもう誰か考えとるわ!」と言われてがっかりしたこともありました。「新しいことを考えて、いつか特許を取れるようになれたら」と思っていましたが、気がつけば特許を19件出願し、中には企業に使ってもらっているものもあります。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

東芝、日立製作所、富士通、パナソニック、三菱電機などの電機メーカー、花王、NTTデータ関西、村田製作所、関西電力、キヤノン、グリー、任天堂、トヨタ自動車、任天堂

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岩村 雅一 先生がいらっしゃる
大阪公立大学※2022年4月大阪市立大学と大阪府立大学の統合による開学に関心を持ったら

 2022年4月、大阪市立大学と大阪府立大学を母体に「大阪公立大学」が誕生します。1学域・11学部の幅広い学問領域と大学院を含め約1万6千人の学生を擁する、全国最大規模の公立総合大学となる予定です。規模を拡大しつつ、これまで同様、学生と教職員の自由闊達な環境で教育を行います。基幹教育と高度な専門教育を有機的に結び付けた複眼的視点を持ってあらゆる問題を俯瞰的かつ直観的に見通す力を培うことで、グローバルに活躍できる高度人材を育成します。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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