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講義No.05444

日本人の英語学習に大切な「左手の学習方法」

日本人に多い内向的学習者

 私たち日本人の英語学習に必要なことは何でしょう。二つの視点から考えてみます。
 まずは学習者のパーソナリティです。英語に限らず、授業中に発言・質問することが少なく、ディスカッションも苦手な内向的学習者と、授業でわからないことは質問して解決し、発言も多い外向的学習者に大きく分けられますが、日本人に多いのは圧倒的に前者です。しかし内向的学習者は、教室外で一人集中して勉強するというスタイルに長けています。大切なのは、パーソナリティは学習スタイルであって、能力ではないということです。

意外と苦手な協同学習

 二つめは日本的文化です。例えば日本の学生は、互いにわからないところを教え合う「協同学習」を好みません。反対に、欧米では協同学習が盛んです。集団行動が得意な日本人と個人主義の欧米人から考えると逆のような気もします。しかし欧米人は個人主義だからこそ、自分がよい成績を取るために他人の力を利用するのはストラテジー(戦略)だと考えます。それに対し、協同学習で自分がどれだけ勉強できるのかを他人に知られたくないと考えるのが日本人です。あなたも納得できる部分があるのではないでしょうか。
 パーソナリティがミクロ的な視点ならば、こちらは日本人のマクロ的な学習ストラテジーの特徴といえます。

いつもと違う学習法で新しい可能性が

 右利きの人が左手で文字を書くと、最初のうちは下手でも練習するうちに上手に書けるようになります。これと同じで、自分の学習傾向がわかれば、今まで使ってこなかった「左手の学習方法」で、新しい可能性が開けてきます。内向的学習者であれば、自分の意見を積極的に発言してみる、外向的学習者であれば、一人で集中して勉強してみる、ということです。また、協同学習が苦手なことは、実は日本人にとって致命的な弱点です。互いに刺激を受けながら一緒に勉強する面白さを知ることは、日本人全体の「左手の学習方法」として大切なのです。


この学問が向いているかも 英語学、英文学、応用言語学、言語教育学

同志社女子大学
表象文化学部 英語英文学科 教授
若本 夏美 先生

先生の著書
メッセージ

 大学時代はとてもいい時代です。そのいい時代にしておくべきことがあります。それは「Connecting the dots」、dotsを繋げることです。dotsとは、自分の経験であり、スキルであり、知識です。大学時代に少しでも知識を広げ、スキルアップし、たくさんの経験をすること。そしてそのdotsを繋げることが大事なのです。
 京都は歴史と新しいものが交錯する場所です。「Connecting the dots」には最適の場所かもしれません。あなたと一緒に勉強できるのを楽しみにしています。

先生の学問へのきっかけ

 「シルバー ライニング」という言葉があります。これは「雲の裏側は必ず晴れている、今は辛くても必ずいいことがある」という意味の英語の慣用句です。このように英語では、日本語にはない、違った視点でものごとをとらえることができます。そこに魅力を感じています。私は英語教師を約10年間経験したあと、もう一度、学習者の視点から英語を研究し直したいと思い、大学院に入学しました。いま大学では、英語学習の方法を科学的に研究しています。

大学アイコン
若本 夏美 先生がいらっしゃる
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 『Always rising to a new challenge(いつの時代も、新しきを生きる。)』
 同志社女子大学は創立以来、常に時代の先駆けとなる新しい教育・研究に挑戦し、143年の歴史を歩んできました。キリスト教主義、国際主義、リベラルアーツを教育理念とし、学生一人一人が持っている才能を生かして、責任感を持って社会に貢献できる女性を育むことをめざしています。専門分野の研究のみならず異なる領域について学ぶことで、幅広い視野と豊かな発想、総合的な判断力を養うことを教育の基本に据えています。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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