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講義No.05206

グローバルに「産む性」を守る! リプロダクティブヘルスを考えよう

命を授かり、育むための健康

 「リプロダクティブヘルス」や「リプロダクティブライツ」は、まだあまり聞きなれない言葉でしょう。1994年にエジプト・カイロで国際人口開発会議が開催されたときに提唱されたこの概念は、日本語に訳すと「女性の生涯を通じた性と生殖に関する健康」という意味です。人間は一生の間で思春期を迎え、パートナーと出会い、産む性である女性は子を持てば母となります。その一連の流れにおける家族計画や母子保健を含む健康がリプロダクティブヘルスであり、その健康を享受する権利がリプロダクティブライツです。

妊娠・出産のリスクから女性を守る

 日本の妊産婦死亡者数は2010年には45人、10万出生あたりの妊産婦死亡率は4.2です。この数字は世界で最も低いグループに入ります。50年前には年間2000人以上の女性が妊娠・出産で死亡していました。このような妊娠、出産の安全性の向上に、医師、助産師を中心とした医療体制の充実が寄与していることは言うまでもありません。
 一方で世界に目を向けると、アフリカなどの開発途上国では妊娠・出産における女性の死亡率が非常に高く、妊産婦死亡率は10万出生あたり900(日本の200倍)です。世界保健機構(WHO)の策定したミレニアム開発目標の中でも「妊産婦の健康の改善」は目標のひとつです。

開発途上国を支援するプロフェッショナルが必要

 このような妊娠・出産の高いリスクは、医療施設が未整備で機器や人材が不足していることはもちろん、妊娠・出産に関する正しい知識が、一般の人はおろか現場の医療関係者にさえも普及していないことが原因です。技術や設備の支援とともに、リプロダクティブヘルスの知識を持ったプロフェッショナルな人材が求められます。
 ただし、「安心・安全なお産」と言っても、国による文化や国民性の違いを考慮する必要があります。また、社会情勢も刻々と変わります。大切な命を未来へつなぐため、グローバルな視点での支援が必要です。

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この学問が向いているかも 母子保健学

大阪大学
医学部 保健学科 教授
大橋 一友 先生

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メッセージ

 母性保健医療学はリプロダクティブヘルスを守る学問です。この分野では社会文化的な知識も重要です。不妊症には結婚年齢の高齢化が影響をし、出産には地域や国ごとの文化的な背景を考えなくてはなりません。医療の専門知識だけでなく、幅広い知識がこれからの医療専門職には要求されます。日本の母性保健医療は世界的にも高水準であり、開発途上国支援でも期待されている分野です。たくさんの若い力が日本と世界の母性保健医療活動に加わっていただくことを期待しています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

私の学部ゼミ生の大部分は看護師、助産師、保健師として就職しますが、直接、大学院に進学してから就職する学生もいます。また、大学院生の多くは修士/博士の学位を取得後、看護学部(科)の大学教員として就職します。

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 自由な学風と進取の精神が伝統である大阪大学は、学術研究でも生命科学をはじめ各分野で多くの研究者が世界を舞台に活躍、阪大の名を高めています。その理由は、モットーである「地域に生き世界に伸びる」を忠実に実践してきたからです。阪大の特色は、この理念に全てが集約されています。また、大阪大学は、常に発展し続ける大学です。新たな試みに果敢に挑戦し、異質なものを迎え入れ、脱皮を繰り返すみずみずしい息吹がキャンパスに満ち溢れています。

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