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講義No.05048

GPS衛星は現代の北極星だ

位置を割り出す仕組み

 人工衛星を利用して位置を割り出すGPS(全地球測位システム)は、人工衛星自体が対象の位置を把握しているわけではありません。人工衛星は信号を発しているだけで、それをキャッチするのにかかった時間から、受信機側が人工衛星との距離を計算しているのです。最低でも3カ所からの距離がわかれば位置を割り出せますが、受信機の時計は人工衛星の原子時計と誤差があるため、通常は4基以上の人工衛星で、位置を計算しています。それでも近くに高い山やビル、壁などがあると跳ね返った信号で計算してしまうため、携帯電話やカーナビのGPSは実際の位置とのズレが生じることがあります。また、厳密に言えば、GPSを使って割り出せるのは自らの位置のみです。他者が対象の位置を直接割り出す場合は、例えば、GPS機能をもった携帯電話から基地局に送られた位置情報をたどっているにすぎないのです。

こんなところにもGPSが

 基本的に上空にある人工衛星が多いほど、位置情報の精度は高まります。例えば船舶や飛行機の運行には、より高性能かつ高信頼なGPSが搭載されています。また高精度のGPSは平面上だけでなく高低も1cm単位で測れますから、自動車レースF1ではコースの傾斜測定に使用していますし、測量や地震速報にも欠かせません。

今後の運用方法

 実はGPSは正確には世界共通のものではなく、アメリカ固有のシステムです。各国がGPSと同様の独自のシステムの構築をめざしています。GPSに依存していた日本も、2010年に人工衛星「みちびき」を打ち上げました。また天気予報のイメージが強い「ひまわり」も、6号と7号は運輸多目的衛星であり、測位システムを見据えて作られています。「みちびき」を中心に整備が進む日本の衛星測位システム「準天頂衛星システム」により、今後はより精度の高い位置情報が得られたり、車を自動で走行させる高速道路の「オートパイロットシステム」や屋内測位による人や作業ロボットの誘導など、より高度な使い方が実用化されるでしょう。


この学問が向いているかも 測位航法学

東京海洋大学
海洋工学部 海事システム工学科 准教授
久保 信明 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 GPS(全地球測位システム)は自然科学から宇宙工学、物理学、半導体工学など、あらゆる学問が結集した分野です。身につけるのは容易ではありませんが、それだけやりがいのある学問だと言えます。自分の力で真正面から取り組まないと理解できませんから、自立心を大事にしてください。将来性という点では、既に研究し尽くされてしまった感もあります。しかし、さまざまな学問の要素が詰まっており、米国以外の衛星も近未来に利用できますので、新しい技術を生み出すヒントもあるはずです。ぜひここから新しい何かを生み出してください。

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久保 信明 先生がいらっしゃる
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 東京海洋大学は、全国で唯一の海洋にかかわる専門大学です。2大学の統合により新しい学問領域を広げ、海を中心とした最先端の研究を行っています。海洋の活用・保全に係る科学技術の向上に資するため、海洋を巡る理学的・工学的・農学的・社会科学的・人文科学的諸科学を教授するとともに、これらに係わる諸技術の開発に必要な基礎的・応用的教育研究を行うことを理念に掲げています。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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