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講義No.05012

放射性廃棄物を安全に地盤の中に埋めて処分するために

高レベルの放射性廃棄物の処理

 日本では、原子力発電が行われてきました。これまで燃料として使われてきた高レベルの放射性廃棄物が大量にたまっており、今後これを何らかの形で処理しなければなりません。処理法はいくつか考えられており、その一案として土の中に埋めるやり方があります。具体的には、まず放射性廃棄物をガラスで包み込みます。それをステンレスの容器に入れて地盤の中に埋めるのです。このとき、ステンレス容器が地下水と接触すると、容器が変化するリスクがあります。そこで天然の粘土鉱物である「ベントナイト」などでステンレス容器のまわりを埋めるのです。「ベントナイト」は水を吸うと膨張するとともに水を通しにくい性質を持ちます。また、天然の鉱物なので、時間がたっても変化しないと考えられています。

地下水の影響をどう評価するか

 地下では常に地下水が動いています。容器を埋めた場所の地下水の動きが、地下や地表に及ぼす影響を推測し、そこから考えられるリスクを予測します。ただし、プルトニウムなどの放射性廃棄物の半減期(放射線の強さが半分に減り安全になるまでの時間)は1万年以上であるため、それぐらい長い時間サイクルで起こる地下の変化を考えなければなりません。

トンネルを掘るときの地下水の影響も研究対象

 廃棄物を埋めるのは、地下300メートルより深いところと法律によって定められています。まず竪穴を掘り、そこから水平方向にいくつものトンネルを掘って、その中に廃棄物を埋めていくのです。そこで問題になるのが、トンネルを掘ることによって引き起こされる岩盤の変化です。岩盤を掘ると地下水が出るため、工事中は水を抑える必要があります。すると、それまでは水を含んでいた岩盤が、乾燥するために元の状態とは異なる何らかの変化を起こす可能性があります。また岩盤内にトンネルによる空洞ができることで力学構成も変化します。こうした変化がどのような影響を与えるかを一つひとつチェックし、安全性を確認する必要があるのです。


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この学問が向いているかも 土木工学、環境学、地盤工学、地下水学

岡山大学
環境理工学部 環境デザイン工学科 准教授
小松 満 先生

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メッセージ

 私たちは、どこに暮らしているのでしょうか。足元を見てください、そこには地面があり、地面の下には地盤があります。つまり地球上のどこに住んでいようとも、人は必ずどこかの地盤の上にいるのです。ところが穴を掘らない限り、地中の様子を見ることはできません。だから地盤については、まだわからないことだらけなのです。しかし、地震や土砂崩れなどの災害を防ぐためには地盤を知る必要があります。地盤をテーマとするこれからの学問、地下水工学をぜひ、若いあなたと一緒に研究したいと思っています。

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 岡山大学は、これまでの高度な研究活動の成果を基礎として、学生が主体的に“知の創成”に参画し得る能力を涵養するとともに、学生同士や教職員との密接な対話や議論を通じて、個々人が豊かな人間性を醸成できるように支援し、国内外の幅広い分野において中核的に活躍し得る高い総合的能力と人格を備えた人材の育成を目的とした教育を行います。

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