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講義No.05009

水文学って何だろう?

天文学と水文学

 「水文学」と書いて「すいもんがく」と読みます。天文学が天体、地球の外で起こるあらゆる自然現象を対象とするのと同じように、水文学は水に関するすべての自然現象を対象とする学問です。扱う分野はとても幅広く、理系から文系までを含みます。例えば大雨の影響、水質や気象が研究対象となり、水の利用に注目すれば法律や国際政治などの社会学的な視点も絡んできます。中でも主な研究対象となっているのが、「水の循環」です。

水はどのように循環しているか

 雲から地上に降った雨水は大地を流れ、川に集まって海へと注ぎ、そして蒸発して再び雲になります。この一連のサイクルが「水の循環」です。水の循環は、対象とするエリアによって地球規模と地域規模の二つに分けられます。地域規模で考える場合の重要なテーマは、河川の流域に降った雨の量と川の水量との関係を調べる流出解析です。流出解析のためには、まず、降る雨の量から川の流量を計算するための流出モデルを作っておきます。ある川の流域の流出モデルを用意しておけば、その流域で集中豪雨が起こったときの川の流量の変化を予測し、洪水などに備えることができます。

川の流量を変える宅地開発

 川の流量は、周辺環境の変化によって大きな影響を受けます。例えば、ある川の上流に森林があったとします。ここで大規模な宅地開発が行われると、川の流量はどう変化するでしょうか。答えは流量の大幅な「増加」です。これまでなら山林が水を吸収し貯めこんでくれていたのに、林が切り開かれてコンクリートやアスファルトになると、降った雨がそのまま川に流れていきます。これを放置しておくと、大雨が降ったときに下流で大洪水が起こる危険性があります。被害を防ぐために、貯水池や遊水地を造ることで流量を増やさないようにしたり、下流域では川幅を広げたり堤防を高くしたりするなどの措置が取られています。このように土地の利用形態の変化による川の流量の変化を予測することは、水文学の重要な役割の一つなのです。


この学問が向いているかも 水文学、気象学、水理学

岡山大学
工学部 環境・社会基盤系 教授
近森 秀高 先生

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先生がめざすSDGs
メッセージ

 水は生命の源で、水がなければ人は生きていくことができません。一方で水は、時に人に災いをもたらすこともあります。渇水になっても、洪水が起こっても、水は私たちの暮らしに大きな影響を与えます。その水を対象とする学問が水文学(すいもんがく)です。水文学の研究には、物理と化学、そして数学の知識が欠かせません。高校での学びは、大学での学問に直結しています。高校でしっかり勉強すれば、必ずそれだけの成果を大学で得ることができます。水を通して環境問題について考えたいあなた、ぜひ、私の研究室に来てください。

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近森 秀高 先生がいらっしゃる
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 岡山大学は、これまでの高度な研究活動の成果を基礎として、学生が主体的に“知の創成”に参画し得る能力を涵養するとともに、学生同士や教職員との密接な対話や議論を通じて、個々人が豊かな人間性を醸成できるように支援し、国内外の幅広い分野において中核的に活躍し得る高い総合的能力と人格を備えた人材の育成を目的とした教育を行います。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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