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講義No.04964

太陽:そのエネルギーの効率的な利用に向けて

太陽は地球にとって不可欠な存在

 近年、人間による環境破壊が懸念されています。しかしエネルギー的に見ると、人間が石炭・石油などの化石燃料を使用することによる燃焼熱の割合は、実は地球の全エネルギーの0.007%でしかありません。地球の最大にして圧倒的な割合99.97%を占めるエネルギー源は太陽放射です。植物は無論のこと動物も食物連鎖により、活動の源は太陽にたどり着きます。
 しかし、人間の社会的な活動のための太陽エネルギー利用は、ごく一部にとどまっています。持続可能社会の実現のためには、その利用拡大が不可欠です。なお、日射量の変動はきわめてわずかなのに対し、太陽の磁気活動は激しく変化し、それが地球の雲量変化を引き起こし、気候変動をもたらしている可能性が最近報告されています。

太陽電池の変換効率を上げるには高コストが課題

 太陽光のエネルギーを直接電力に変換する太陽電池の研究開発が進んでいますが、市販のソーラーパネルによる変換効率は高くても20%程度にとどまっています。違う種類の半導体を2~3種類接合すれば、さらに効率を上げることができ、実際宇宙用に使われていますが、コストがとてもかかりすぎており、普及を図るにはコスト低減が大きな課題です。
 また、偏光を利用して、各種材料の光学定数を測定するなど基礎的で地道な取り組みがなされています。太陽電池に当てる光を太陽光ではなく、一つの波長成分に限ると、実はより高い効率が実現できるのです。この観点から、電磁誘導方式ではない光による給電システムの研究も進められています。

エネルギーの終着点:熱を積極的に利用する

 今後、太陽エネルギーの効率的な利用を推進するためには、電気だけでなく、通常損失となっている熱も積極的に利用するハイブリッド利用も重要になります。また雪国への普及を図るため、太陽電池へ電流を流すことによって暖めて雪を滑り落とす実証研究も行われています。さらには、太陽電池に通電して、その効率を熱的に測定する新たな方式の研究も進められています。

参考資料
1:宇宙の視点から見た地球環境
2:光キャリヤーの輸送

この学問が向いているかも 電気・電子工学、光学、応用物理学

東北工業大学
工学部 電気電子工学科 教授
齋藤 輝文 先生

先生の著書
メッセージ

 私は太陽エネルギーの総合的な利用について研究しています。太陽エネルギーは地球上にとても大きな影響を与えています。生命活動、気象現象などのエネルギーの99.97%が、太陽エネルギーが源なのです。しかし、人間の太陽エネルギーの積極的な利用はごく一部にとどまっています。地球環境保全のためにもほかの生命同様に、太陽エネルギーを積極的、効率的、そして継続的に利用しなければなりません。あなたがもし、この研究に興味があれば、積極的に参加してくれることを期待しています。

先生の学問へのきっかけ

 小学生の頃から自然や宇宙、身近な機械などの仕組みや成り立ちに不思議さと興味を感じ、家にある電気製品などの中身が知りたくて分解することもよくありました。その頃から漠然と研究者に憧れていて、大学を選ぶときや就職するときはその夢をより所にしていました。さらに、2010年に小惑星探査機「はやぶさ」がトラブルを乗り越えて帰還したことに大変感動したことが、今の研究につながっています。

大学アイコン
齋藤 輝文 先生がいらっしゃる
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 本学では、「創造から統合へ」をユニバーシティスローガンに掲げ1964年の創設以来、3万人を超える卒業生を輩出し、日本の、とりわけ東北地域の産業・経済の発展に大きく貢献してきました。自然に囲まれた豊かな環境でありながら、仙台市街地にも近く利便性の良い 「八木山キャンパス」「長町キャンパス」の両キャンパスで創造的な思考を学ぶべく、最先端の環境を整え、学生の期待と意欲に応えるカリキュラムを用意しております。
 進化し続ける学びのステージ。それが東北工業大学です。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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