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講義No.04963

百年前のアメリカの女性に共感できる文学の楽しみ

女性文学の楽しみとは

 文学の歴史上、文壇のメインストリームは男性作家で、女性作家は隅の方に追いやられている感じです。しかし男性作家が書く女性が実際に読者である女性から見て「違う!」と思うことも多く、女性作家は自分たちの本当の姿、女性が共通して抱える悩みなどを描いてきました。女性の地位や活動の場が限られていた昔とは、だんだんと変わってきていて、時代によって異なる部分もありますが、百年以上も前の女性と共通する悩みが描かれているなど、共感できる部分も多くあるのです。

19世紀から現代にいたる女性作家たち

 19世紀から現代にいたる英語圏の作家を例に取り上げてみましょう。19世紀のアメリカの女性作家オルコットの『若草物語』は児童向け小説として有名ですが、大人の目から見ても恋愛観や結婚観、時代背景などには興味深いものがあります。特にお母さんが娘に恋愛や結婚についてするアドバイスは「お金があるからといって愛のない結婚をすると不幸になる」「ふさわしくないパートナーと結婚するよりは独身でいた方がいい」など、当時にしては珍しいリベラルな考え方でしょうが、現代でもじゅうぶんに通じるものがあります。20世紀になるとアリス・ウォーカーやトニ・モリスンなど黒人女性作家が注目を浴びてきました。彼女たちは差別された黒人女性の立場を小説で明らかにしています。モリスンはノーベル文学賞を受賞したときに「自分の仲間たちが認められて嬉しい」とコメントしました。またブラック・イングリッシュの表現やリズム感の美しさを知らしめました。

現代は個人重視の時代

 現代の女性作家は、時代や社会による抑圧から自由になった分、作風も多様化しています。外部に対して直情的に語るリアリズムから離れて、自分の世界で遊ぶような作品が増えています。その作家の個性や文章の面白さが作品の前面に出てくるのです。文学とは人間を知るためのものです。女性文学に限ってもいろいろな側面が浮かび上がってきます。


この学問が向いているかも 英米文学

東京女子大学
現代教養学部 国際英語学科 国際英語専攻 教授
篠目 清美 先生

メッセージ

 私は19世紀から現代にかけてのアメリカの女性作家による文学作品を研究しています。女性作家の面白さというのは、女性のみならず男性にも訴えることがあるところです。古い作品を読んでいても、人生を生きていく上でぶつかる悩みなどが描かれていて「百年前の女性がこんなことを考えていたのか!」などと発見があります。また、英語で読むことの楽しさもあります。例えば私たちが日常で使う英語の単語でもこんな豊かな色を持っているのか、こんな深い意味だったのかということを、作品を通して味わうことができるのです。

先生の学問へのきっかけ

 子どもの頃から本が大好きで、英語にも興味を持ち、特に専門分野を選ぶという意識もなくアメリカ文学を研究するようになりました。小学生の時に『若草物語』に夢中になったのがアメリカ文学との出会いです。ほかにも『アンクル・トムの小屋』、『ハックルベリ・フィンの冒険』などを読み、「アメリカはいろいろな顔をもっているんだなー」と、子どもながらに興味を抱きました。四姉妹をめぐる楽しい物語や、読み進めるのが悲しくなるほど残酷な奴隷制度を描いた作品などをいつか英語で読んでみたいと思っていたのです。

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篠目 清美 先生がいらっしゃる
東京女子大学に関心を持ったら

 東京女子大学現代教養学部は、全学的に国際性、女性の視点、実践的学びを重視した教育を展開しています。100周年を迎えた2018年に「国際英語学科」「心理・コミュニケーション学科」を新設。また、国際社会学科に新たに「コミュニティ構想専攻」を設置しました。キリスト教精神に基づくリベラル・アーツ教育で自ら考え、知識や能力を行動へとつなげ、社会に出てからも学び続け、さまざまな問題を解決する力を身につけたリーディングウーマンを育成します。

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