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講義No.04779

「倫理」的な判断ができる人になろう

今、判断する人が求められている

 今、あちこちで倫理的判断ができる専門家が求められています。科学の進歩によって、例えば「原子力発電所を稼動し続けるのか、やめるのか?」「脳死状態の人から臓器を取り出して、臓器移植をしてもよいのか。このとき死とは何か?」というような、新しい問題が起こっています。しかし、このような問題は、科学的な知識だけがあっても判断することはできません。「やってよいことと、悪いこと」を決めるのは、「倫理」だからです。

倫理は哲学の応用

 現実社会は、日々どんどん変わり、新しい課題をつきつけます。私たちは、それについて、その場その場で判断しなければなりません。哲学と倫理は、どう違うかという答えが、ここにあります。「哲学は純粋に理論を形作るものであり、倫理はそれを現実社会に応用して、そこで起こるさまざまな出来事を、判断するものである」、いささか大胆に言ってしまえば、こうなります。もちろん、倫理的判断が求められるのは、科学の分野だけではありません。粉飾決算をした会社は利益をごまかしたがために非難されます。そして「社会的に責任のある会社が、虚偽の振舞いをするのは、正義に反する」と判断されますが、この場合の正義とは、まさに「倫理」を指すのです。

これからの問題を判断するために

 日本をはじめ、地球上の多くの国は、これまで「まず自分たちが豊かになろう」「自分の国を豊かにしよう」という考えで、進んできました。しかし今までのやり方では、地球環境はますます悪化しますし、テロや戦争もなくなりません。ギリシアの財政危機がヨーロッパ全土の問題となり、また中国・アジアの近代化・巨大化がほかの国々にも影響をもたらしています。このように地球上のすべての地域や国が密接に関わりあっている時代に、問題を判断するためには、自己や自国の利益や幸せだけを追求するのではなく、「他人の幸福は自分の幸福である」という「倫理」が必要なのです。


倫理的判断ができる専門家になろう!

この学問が向いているかも 哲学、倫理学、科学史、社会学

横浜国立大学
教育学部 学校教育課程 教授
下城 一 先生

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メッセージ

 高校の倫理では、プラトン、ソクラテス、カントなどについて習いますね。ですから、倫理というのは哲学者という特別な人たちが「よく生きるということ」を考える学問だという印象があるかもしれません。しかし実は、生命倫理や原子力開発問題の倫理のように、現実の問題を考える学問なのです。あなたは大学に入って専門を深めていくわけですが、ぜひその専門についての倫理や哲学を合わせて学び、自分だけではなく他人の幸せを考える、そして地球全体の中でものごとを考える視点を養ってください。

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下城 一 先生がいらっしゃる
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