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講義No.04765

国際協力に求められるのは、自分とは違う立場の人への想像力

主役はあくまで現地の人!

 国際協力と言ってまず連想されるのは、さまざまな国際NGO(非政府組織)や国際機関の活動かもしれません。各団体がどんなプロジェクトを行い、どのような成果を上げているのかが注目されることが多いです。もちろんそれも重要なのですが、主役となるべきなのはあくまでも現地の人です。彼らがどんな思いを持って暮らしているのか、本当に必要としているのは何なのか、ということに意識を向け、理解しようとすることが、国際協力において一番大切なのです。

マングローブに込められた思惑の違い

 例えば2004年のスマトラ島沖地震のあと、被害の大きかったインドネシアのアチェ州では、今後の津波対策として沿岸部にマングローブを植林するプロジェクトが国際支援団体によって進められました。支援者側にとってその目的は、災害に強い社会を作ることにありました。しかし現地の人にとっては、津波対策という目的以上に、マングローブによってその水域の生態系を復活させることが重要でした。エビや魚にとってよりよい環境を作り、以前と同じように漁業によって収益を上げるという願いが込められていました。支援者側と現地の人の間には、そんな思惑の違いがあったのです。

自分とは違う立場の人への想像力が大切

 この例では、支援者と現地の人との思惑の違いが深刻な問題を生み出すということを表しているのではありません。しかし、このような「ズレ」に気がついた場合、支援者はただ自分たちの目的を果たすことで満足するのではなく、その「ズレ」を、お互いをよりよく理解するためのきっかけとする必要があります。そうして現地で交流を深め、地域と地域が結びついていくことが、これからの国際協力において大事な点になっていくと考えられます。大切なのは、自分とは違う状況にある人の立場に立とうとする気持ち、相手が何をどう見ているのかをできる限り想像しようとする気持ちです。日常的にも大切なそのような意識こそが、国際協力において最も重要なものだと言えるのです。

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この学問が向いているかも 国際協力論、開発学

奈良県立大学
地域創造学部  准教授
亀山 恵理子 先生

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メッセージ

 私が国際協力や東南アジアに関心を持ったきっかけは、高校生のときに、フィリピンの路上で暮らす子どもたちの映像を見たことでした。その後、大学時代に1年間インドネシアへ留学し、実際に現地の人と接する経験を重ねる中でさらに関心が深まり、国際協力活動に携わったり研究をしたりするようになりました。高校時代は勉強で忙しいと思いますが、本を読んだり、映画を観たり、人と会ったりという時間を大切にしてください。そしていろいろなことに関心を持って奈良県立大学に来て、さらに一緒に学びを深めていければと思います。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

語学学校講師、旅行会社、地方公務員、福祉関係、医療機器商社、建設会社営業、テレビ局制作スタッフなど

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 ■「基本理念」
 わが国が21世紀において、さらなる発展を遂げるためには「地域」に視点を置いた教育研究が必要です。地域経済や観光に関する教育研究により、地域づくりに貢献できる優れた人材を養成するとともに、研究活動の成果を地域に還元し、さらに地域に開かれた大学として生涯学習の場を提供することによって、社会・文化の発展に寄与すること。
 ■「地域創造」とは
 経済、文化、歴史、社会等に関して一つのまとまりとしての意味を持った地域を活性化し、人々が豊かな生活を享受できる地域社会を築くことです。

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