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講義No.04538

原子の中には芯がある! 量子力学の世界への扉

20世紀の大発見~ラザフォードが見つけたもの~

 イギリスで活躍した物理学者アーネスト・ラザフォードは、原子の中に「芯」のようなものがあることを発見しました。金箔を用いて金の原子にアルファー線をぶつける実験をしたところ、ほとんどのアルファー線が金箔をすり抜けていく中、いくつか跳ね返るアルファー線があったのです。もし原子がのっぺりとした均一なものならばアルファー線はすべてすり抜けてしまったはずです。しかし、跳ね返るということは「跳ね返す何か」がそこにあるということです。つまり、原子にはアルファー線を跳ね返す「芯」があるという発見でした。この「芯」が「原子核」と呼ばれることとなったのです。

不思議な量子力学の世界

 このような、原子核とそのまわりの電子からなる原子というものは、当時の物理学の理論で説明することができません。そこで、物理法則は原子レベルでは日常経験する力学(古典力学)とは違うルールに従うと考えられはじめ、それが「量子力学」という新しい法則として確立しました。量子力学でなければ、原子が安定に存在することも説明できないのです。もっと日常的なことがらも量子力学の世界とつながっています。例えば光が波と粒子の両方の性質を持っていることを、量子力学は教えてくれます。あなたが見ている星の光も、もし光が波の性質しか持たなければ、弱すぎて人間の網膜を刺激することはできません。光が粒子としての性質を持っているからこそ、人間は遠くの星を見ることができるのです。

物理の世界は「推理+実験」の繰り返し

 物理学の世界は「どうなっているのか?」という疑問の答えを考え、実験でその考えが正しいかを確かめるという行為の繰り返しです。理論と違う結果が出たときは、新しいパズルが与えられたということで、物理学者は夢中になります。ラザフォードの理論から100年経ちましたが、自然界にはまだ解明されていない謎が多く残っています。あなたにも世紀の大発見をするチャンスが与えられているのです。


この学問が向いているかも 物理学

九州大学
基幹教育院  教授
原田 恒司 先生

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メッセージ

 物理を暗記科目ととらえている人もいるようですが、そうではありません。物理の勉強は基本の理解が重要です。基本的な法則のことがよくわかればそれを用いていろいろなことを導きだし、たくさんのことを説明することができます。覚えることはむしろ少ないです。「どうして?」を追い求める物理の目で世界を見ると、今までと違ったものが見えてくるかもしれません。それを楽しむのが物理の世界です。基礎をしっかりと学び、楽しい物理の世界へと旅してみましょう。

先生の学問へのきっかけ

 高校生のとき、自然の数学的な側面をはっきりと見せてくれる物理に魅了され、大学で物理学を選びました。入学してからは幅広く物理学の基礎を学びましたが、その中でも特に原子レベル以下の微細な領域で成立する量子力学が面白いと思いました。大学院に進み、量子力学のより完成された形式である場の量子論を本格的に学びたいと思い、素粒子理論の分野を選択しました。世界の成り立ちを根本的に理解したいと思い続けているうちに、いつの間にか研究者になっていました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

大学教員/ソフトウェア開発/安全技術検定会社社長

大学アイコン
原田 恒司 先生がいらっしゃる
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 九州大学は、教育においては、世界の人々から支持される高等教育を推進し、広く世界において指導的な役割を果たし活躍する人材を輩出し、世界の発展に貢献することを目指しています。また、研究においては、人類が長きにわたって遂行してきた真理探求とそこに結実した人間的叡知を尊び、これを将来に伝えていきます。さらに、諸々の学問における伝統を基盤として新しい展望を開き、世界に誇り得る先進的な知的成果を産み出してゆくことを自らの使命として定めています。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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