夢ナビ夢ナビは、さまざまな言葉をデータベースから検索・閲覧し、将来の進路を決める“きっかけ”を提供します。

講義No.04506

次世代の航空機を担う日本のジェットエンジン技術

先頭を走る日本のジェットエンジン技術

 日本の航空機産業は後発の感が否めません。しかしそれは技術がないからかというと、そうではありません。それどころか、ジェットエンジンに使われるガスタービンの技術では、日本は世界のトップの一角を占めているのです。
 ガスタービンは圧縮した空気を燃料と共に燃焼させ、タービンを回す仕組みです。このとき、温度が高いほど性能が高くなるのですが、世界最高温度レベルのタービンの技術を持つ国は、欧米と日本ぐらいなのです。また、流体の数値解析技術などは日本が先頭を走っています。そのため、海外で航空エンジンを開発する際には日本の技術が使われるのです。

二酸化炭素削減という課題

 ところで航空業界では、2050年までに二酸化炭素の排出量を2005年比で50%削減するという目標が掲げられています。そこで航空機の燃費を向上させることが大きなテーマとなっています。
 そのテーマへのアプローチには燃費をよくすることが最も重要ですが、そのほかに例えばハイブリッドの飛行機の実現が考えられます。航空機が安定した飛行を行う巡航時にはジェットエンジンの推力が余るので、余剰エネルギーで充電し、最高出力が必要な時にその電気を使うという方法です。

日本の技術で次世代のエンジンを

 また、熱交換器をジェットエンジンに組み込む方法も考えられます。排気の熱を利用して吸気の温度を上げることにより、燃焼器で上げなくてはならない温度の幅が狭まるので、その分燃料が少なくてすみます。これは熱効率を大きく向上させます。排気熱の利用は、同じくガスタービンを使う火力発電においてはすでに実用化されていますが、航空機に使うとなると、小型化の必要があります。日本のハイレベルの伝熱技術を使って、このようなエンジンができる可能性もあるかもしれません。一方、日本の材料技術や製造技術は世界トップレベルを保ち続けており、今後性能と品質の高いジェットエンジンを世界に送り出す可能性は高いと言えます。

アイコン

講義を視聴する(1分)

アイコン

講義を視聴する(1分 その2)

アイコン

講義を視聴する(1分 その3)

アイコン

講義を視聴する(30分)

この学問が向いているかも 航空宇宙工学、流体力学、熱工学

東京大学
工学部 航空宇宙工学科 教授
渡辺 紀徳 先生

先生の他の講義を見る
メッセージ

 日本のジェットエンジン技術はすぐにはビジネスに結びつきませんが、トップレベルの科学技術を持ち続けることで高付加価値の商品を生み出すことができます。アジアのほかの国が追い上げてきていますが、日本はフロントランナーとして技術を発展させ、それを世界に発信していくことが科学技術立国と独自性の確保に非常に重要です。また、効率のよいガスタービン技術を高めていくことで、世界の二酸化炭素削減に直接貢献することができます。こうした重要性を認識した上で、あなたがこの分野を志望してくれることを願っています。

大学アイコン
渡辺 紀徳 先生がいらっしゃる
東京大学に関心を持ったら

 東京大学は、学界の代表的権威を集めた教授陣、多彩をきわめる学部・学科等組織、充実した諸施設、世界的業績などを誇っています。10学部、15の大学院研究科等、11の附置研究所、10の全学センター等で構成されています。「自ら原理に立ち戻って考える力」、「忍耐強く考え続ける力」、「自ら新しい発想を生み出す力」の3つの基礎力を鍛え、「知のプロフェッショナル」が育つ場でありたいと決意しています。

TOPへもどる