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講義No.04441

世界が驚く革命的な電池を開発するためには?

20世紀は物理の時代、では21世紀は?

 最近、自然エネルギーや再生エネルギーが注目を集めています。これらを活用するために最も重要になるものが電池です。太陽電池やリチウム電池は21世紀の人類にとって、極めて重要な技術です。こうした電池は電気工学ではなく、材料化学で考える必要があります。効率のよい電池開発には分子レベル、原子レベルでの精密な設計が求められるからです。20世紀が物理の時代だったとすれば、21世紀は化学の時代です。

リチウムイオンの動きが充電池の性能を決める

 充電池の代表がリチウムイオン電池です。これは電極にリチウムイオンが出入りすることで充電、放電を行います。そのため電極にはリチウムイオンが入る場所を作る必要があります。しかしリチウムイオンの大きさは、0.1ナノメートル前後と極めて微細なので、小さなイオンの動きを正確にコントロールし、電極の結晶構造のすき間に収まる設計が求められているのです。こうした原理は同じですが、製品化されたリチウム電池の性能は、メーカーごとに異なります。実はメーカーは片っぱしから実験してみて、ある時点での最もよいやり方を採用しており、開発は決して理論的に行われているわけではないのが実状です。つまり化学反応を思い通りに制御するのは極めて難しいということなのです。

より革新的な電池開発をめざして

 現在、電極に使われている素材はコバルト酸リチウムです。ところがコバルトはレアメタルであるため、将来の供給に不安があります。そこでコバルトを使わないリチウム電池の開発が研究課題となっています。また、今はリチウムイオン、つまり陽イオンが電極に出入りすることで充電、放電をしていますが、陽イオンと同時に陰イオンも活用できれば、より効率が高まります。そのために使える素材を見つけることも重要な課題です。こうした課題がクリアされたとき、大出力、大容量、しかも安全と、三拍子そろった画期的な充電池が開発される可能性が高まります。


革新的な電池開発と高校化学の深い関係

この学問が向いているかも 応用化学、インテリジェント材料学

金沢工業大学
バイオ・化学部 応用化学科 教授
露本 伊佐男 先生

メッセージ

 身の回りには、化学の技術が利用されているものがたくさんあります。例えば最近話題の太陽電池やリチウムイオン電池なども、基盤となっている技術は化学です。新しい電池の研究をしたい人は、ぜひ化学系の学問分野を志望してください。一つひとつ正しい順序で学んでいくと、必ず理解できるのが化学のよいところです。最初は不可能に思えても、例えばレンガをコツコツ積んでいけば大きな建築物を造ることができるのと同じように、学問も一つずつ積み重ねていけば、必ず大成します。ぜひ、がんばってください。

先生の学問へのきっかけ

 小学生の頃、乾電池の中身がどうなっているのか知りたくなり、金づちで乾電池をつぶしてみたことがあります。電気回路っぽいものが入っているものだと思っていたら、中にはドロドロした液体があるだけでした。これだけでどうやって電気ができるんだろうとずっと疑問に思っていましたが、それから数年後、高校生になってから、電池の仕組みを学び、化学反応で電気が発生することを知って納得しました。中に入れる液体、電極に使う材料を変えることで、いろいろな電池を作ることができます。現在、電池に使う材料の研究を進めています。

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露本 伊佐男 先生がいらっしゃる
金沢工業大学に関心を持ったら

 金沢工業大学では、講義等で「知識を取り込み」、それを仲間との実験・演習の中で「思考・推論」し、組み替え結びつけることで「新たな知識を創造」し、その成果を「発表・表現・伝達」する独自の学習プロセスを全科目で導入しています。さらに高度な研究環境の中で産学協同による教育研究を実践するとともに、夢考房など知識の応用力を高める多彩なフィールドを実現することで、獲得した知識を知恵(応用力)に転換できる「自ら考え行動する技術者」を育成しています。

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