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講義No.04213

サプリメントを「化学」する

体の隅々に存在

 近年さまざまなサプリメントが人気です。その中には、体内でつくられる物質もあります。例えば、「コエンザイムQ10」は学術名を「ユビキノン」と言い、私たちの体を構成する60兆個と言われる細胞の中、特にミトコンドリアに存在しています。ユビキノンの働きを通じて、人体の世界をのぞいてみましょう。

あるときは運び屋

 私たちは体内に取り込んだ酸素と食物を、複雑なプロセスを経て二酸化炭素と水とエネルギーに変えています。これは光合成の逆です。主要な作業はミトコンドリアの内部で行われます。ですからミトコンドリアはよく、「エネルギーの産生工場」と呼ばれます。ここでは糖や脂質に分解した食物から水素を取り出し、その水素から電子を抜き取ってバケツリレーのように電子を運び、最後に酸素と反応させて水にする、ということをしています。エネルギーは、このリレー作業のときに生まれ、電子を運んでいる仲間の1つがユビキノンなのです。

あるときはなだめ役

 通常、原子や分子の軌道電子は2個ずつ対になって存在し、安定な物質やイオンを形成します。ここに熱や光などの形でエネルギーが加えられると、化学結合が二者に均一に解裂することによって不対電子が生じ、活性で短寿命の化学種が発生します。これを「フリーラジカル」と言います。不安定なので、ほかの化合物から電子を奪い取って安定化しようとするのです。電子を奪われた化合物は、安定化しようと同じことを周囲の化合物にしかけますので、電子喪失(化学的には酸化を意味する)が、周囲に連鎖的に広がっていってしまいます。
 この事態を収拾するのがユビキノンのもう1つの特性である抗酸化物質としての働きです。フリーラジカルに電子を供給し、力を鎮めてしまうのです。老化とは、細胞や組織が酸化して機能が衰えることでもありますから、ユビキノンには酸化防止=アンチエイジングも期待されています。コエンザイムQ10が女性に人気なのもうなずけます。


この学問が向いているかも 応用生命科学

京都大学
農学部 応用生命科学科 教授
三芳 秀人 先生

メッセージ

 応用生命科学科は、以前は「農芸化学科」と称し、全国の農学部に設置されていました。その昔、私は生物と化学が好きな高校生でした。私が進路に迷っていた時、「農学部には生物と化学の境界の勉強ができるところがあるよ。農芸化学と言うところだよ。」と理科のS先生が示唆してくださいました。私は迷わず農芸化学科に進学することを決意した記憶があります。もちろん、人生の大半を「農芸化学科」の研究に費やすとは、高校生の時には考えていませんでしたが。

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三芳 秀人 先生がいらっしゃる
京都大学に関心を持ったら

 京都大学は、創立以来築いてきた自由の学風を継承し、発展させつつ、多元的な課題の解決に挑戦し、地球社会の調和ある共存に貢献するため、自由と調和を基礎にして基本理念を定めています。研究面では、研究の自由と自主を基礎に、高い倫理性を備えた研究活動により、世界的に卓越した知の創造を行います。教育面では、多様かつ調和のとれた教育体系のもと、対話を根幹として自学自習を促し、教養が豊かで人間性が高く責任を重んじ、地球社会の調和ある共存に寄与する、優れた研究者と高度の専門能力をもつ人材を育成します。

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