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講義No.04192

アメリカ外交の二つの理念と、東アジアの平和への課題

自分たちの民主主義を守る

 さまざまな民族からなる移民国家であるアメリカは、ときに「理念の共和国」と表現されます。特定の民族性や言語、宗教ではなく、理念によって一つの国として成り立っているのです。
 イギリスの植民地だったアメリカは、民主主義の理念を守るために、ヨーロッパの権力政治から一線を画すべきとして孤立主義をとります。この孤立主義もまた、アメリカもヨーロッパもお互いに干渉すべきでないとしたモンロー宣言などにより、アメリカを支える理念の一つとなっていくのです。

「孤立」と矛盾しない「介入」

 大国になるにつれ、第一次世界大戦をはじめ、アメリカは積極的に国際社会に介入するようになりました。現象として、孤立と介入は矛盾しているように見えます。しかし、その根底には「国際社会から戦争をなくすために民主主義を推進する」「世界を民主主義にとって安全なものにする」といった、「理念を守る」という考え方があります。この理念は、国際社会の秩序を守るための安全保障体制の樹立を重要視する姿勢につながります。
 一方でアメリカは冷戦以降、国連で議論もせずに単独で行動を起こし、「孤立」主義への回帰が見られるようになりました。そんなアメリカを自国との関係性の中でどのように扱うか、実は東アジア諸国にとっても外交上の大きな課題といえます。

東アジア諸国の課題

 冷戦終結後も東アジアでは依然緊張が続き、アメリカと中国の関係は無視できないものです。協調が重要なことは両国とも理解していますが、民主化や人権といった面で対立しており、アメリカは中国の軍事的な台頭を非常に警戒しています。ヨーロッパ諸国はこれまでのアメリカとの外交の経験から、例えばEU(欧州連合)やNATO(北大西洋条約機構)など、経済や軍事の枠組みでアメリカの動きを抑え協調をはかってきました。東アジア諸国も、ヨーロッパの知恵を学び、アジアという地域の中でアメリカの極端な孤立(単独)行動を抑える仕組みをつくることが今後の課題だといえます。

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この学問が向いているかも 法学、政治学、国際関係学

大阪市立大学
法学部  教授
永井 史男 先生

先生の著書
メッセージ

 国際政治は、単一の世界政府が存在しない国際社会で、どうすれば国々が平和や秩序を維持していけるのかを探求する学問です。その対象分野はとても広く、私が専門とする歴史をベースにした外交、思想、経済、軍事といった分野毎の研究もあれば、ヨーロッパやアジアなど特定地域における現在進行形の政治的テーマもあります。法学部というと日本国内の法律だけを勉強するように思われるかもしれませんが、このように大きなテーマを勉強することもできるのです。

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 大阪市立大学は、日本最大の公立大学です。また、大阪市内唯一の総合大学であり、都市とともにある大学として、社会の発展に寄与する多くの人材を送り出してきました。全8学部と多彩なフィールドを用意しながらも、少人数授業で教員と学生が同じ目線で学習できるアットホームな大学です。自由な学風、最新設備等、本学には若い皆さんのチャレンジを後押しする環境が備わっています。是非大阪市立大学で学び夢をつかんでください!

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