夢ナビ夢ナビは、さまざまな言葉をデータベースから検索・閲覧し、将来の進路を決める“きっかけ”を提供します。

講義No.04136

交配をより効率的かつ厳密にした最新の遺伝子研究

交配には手間と時間がかかる

 卵をたくさん産む鶏は、突然変異で生まれたそのような性質をもつ鶏同士を交配させることで数を増やします。ところが、思惑どおりにいかない場合もあります。その時は、最初から掛け合わせをやり直さなければなりません。このような生物を遺伝的に改良することを「育種」と言いますが、やってみなければわからない、手間と時間がかかる効率の悪い作業だったのです。

遺伝子研究が進む中で、効率的な交配が可能に

 しかし、遺伝子研究が進む中、生物の個体差を調べることによって遺伝的な類縁関係がわかってきました。この類縁関係を遺伝情報として表示できるため、その都度最初からやり直すという非効率的な交配を行う必要がなくなりました。また、交配の結果を予測できます。交配で心配なのは、「連鎖」の問題ですが、これも一挙に解決できます。よい性質を遺伝的にもたせると、病気になりやすいなど同時にマイナスの性質を受け継ぐ場合があります。遺伝子を解析することで、そのようなマイナス情報を含めた遺伝情報が蓄積されるため、より安全な交配だけに絞り込むことができるようになったのです。

数学とコンピュータの力で、遺伝の仕組みを解明

 しかし、交配の全体像が解明されているわけではありません。というのも、生物の遺伝の仕組みは複雑だからです。特に、卵をたくさん産むといった量的な性質は、「羽根の色が白」というような定性的な性質と違って、複数の遺伝子が関与しています。それがどの遺伝子でどの程度の数なのか、また互いにどのような関係にあるのかを知ることは簡単ではありません。膨大な組み合わせがあるため、まず強い性質を優先させ、解析には数学とコンピュータの力を借りなければならないのです。この学問分野は「バイオインフォマティクス(生物情報科学)」と言いますが、この方法を駆使して、今多くの研究者が遺伝の仕組みの解明に取り組んでいます。

動物の突然変異は、遺伝子の「失敗作」?

夢ナビライブ2017 福岡会場

アイコン

突然変異の例

アイコン

科学者として大切なもの

アイコン

講義を視聴する(1分 その3)

アイコン

講義を視聴する(30分)

この学問が向いているかも 生物生産学

広島大学
生物生産学部 生物生産学科 准教授
西堀 正英 先生

先生の他の講義を見る 先生の著書
メッセージ

 サイエンスを学ぶ上で大切なのは、まず好きになることでしょう。自分が関心のある分野や事柄があったら、興味をもってよく観て、聞いて、そして知ってください。「好きこそものの上手なれ」という言葉がありますが、何でも興味をもって取り組めば上達します。次に大切なのは、観察することです。これはサイエンスの基本です。この態度を身につけてください。もちろん、何かを好きになるためには「きっかけ」が必要です。私はそのきっかけをあなたに提供していきたいと考えています。

先生の学問へのきっかけ

 琵琶湖周辺で育った幼少期、カワムツ、オイカワ、アケビや柿などを採っては食べ、タナゴやメダカ、カブトムシやクワガタなどを採っては飼い、セキセイインコ、ブンチョウ、ジュウシマツなどを飼って繁殖させ、山々を駆け回っていました。「生活」と「自然や生物」は密接な関係にあったことが、研究者人生の基盤にあると思います。大学を卒業する年は、好景気で就職は引く手数多でしたが、元来、人と同じことをするのが好きではなかったこともあって、大学院に行って研究を続けようと決心しました。

大学アイコン
西堀 正英 先生がいらっしゃる
広島大学に関心を持ったら

 広島大学は社会に貢献できる優れた人材を育成し、科学の進歩・発展に貢献しつつ、世界の教育・研究拠点を目指す大学です。緑豊かな252ヘクタールという広大な東広島キャンパスを抱え、また、国際平和文化都市である広島市内等のキャンパスを含め、12学部、11研究科、1研究所、大学病院並びに11もの附属学校園を有しています。 新しい知を創造しつつ、豊かな人間性を培い、絶えざる自己変革に努め、国際平和のために、地域社会、国際社会と連携して、社会に貢献できる人材の育成のために発展を続けます。

TOPへもどる