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講義No.04123

予防は治療に勝る! 日常生活の中から始めよう

疾病予防とエビデンス

 疾病予防には、病気にならないための一次予防、なってしまった人が悪化しないための二次予防、再発しないための三次予防があります。予防にあたっては、客観的なエビデンス(evidence:証拠)に基づいて実践します。例えば血圧を下げるためにカリウムの摂取を通常の2グラムから1グラム増やすだけで塩分を減らすのと同じくらいの効果があるとか、毎日運動を30分するだけで収縮期血圧が10mmHg下がるなどの客観的なデータを出しながら予防の指導を行っていくのです。

感染症の予防に必要なのは?

 2011年、食中毒の被害が話題を呼び、O-104、O-111、O-126などの細菌の名前を聞いたことでしょう。これは牛の大腸の中に普通に存在する菌で日常的に検出されるものです。しかしごく微量でも発症し、中には死亡者も出ます。このような食品衛生は、いかに日常の調理の過程をきちんとしているかによります。必要な手順を無視したときに問題が起こるのです。インフルエンザなども同様です。数年毎に新しいタイプが出てインフルエンザは世界中に広まり、中には命を落とす人もいますが、その予防策はうがい、手洗いなどの衛生管理です。つまり予防医学とは、誰にでもわかるような知識を日常生活の中で正しく実践していくよう指導することにほかなりません。予防医学の研究者が地域の保健師や栄養士を対象に研修会などを開いて、地域住民や勤労者が正しい生活習慣を実践できるよう助言をしています。

薬やサプリメントは有効か?

 症状を改善する優れた薬もたくさんありますが、医療費や副作用の問題もあり、予防医学では生活習慣の見直しを中心に患者さんの支援を行います。例えば、がんの予防に効くと言われていたβカロテンをサプリメントなどで過剰に摂取すると、かえってがんが増えるというデータもあります。野菜などから摂取する場合には有害性はなく、やはり日常生活の見直しによる予防が大切ということです。


この学問が向いているかも 予防医学、疫学

岩手医科大学
医学部 衛生学公衆衛生学講座 教授
坂田 清美 先生

メッセージ

 医学、歯学、薬学の分野はそれぞれに深く関わっています。例えば動脈硬化を悪化させる原因が全身に回った口腔の歯周病の細菌の場合、いろいろな分野の専門家が一緒になって解決していく必要があります。医療に関わる幅広い分野を知っておくことが重要です。また現在の日本の医療は問題だらけで、計画的な医師の養成ができず、専門医ばかり増えて医療費がかさんでいます。予防医学に進む人は少ないですが、予防によって何十万人もの命が救われることもあるので積極的に取り組んでもらいたいです。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

大学教員、保健所所長、病院医師、診療所所長など

大学アイコン
坂田 清美 先生がいらっしゃる
岩手医科大学に関心を持ったら

 明治30(1897)年の私立岩手医学講習所を前身とし、以来120年以上「医療人たる前に誠の人間たれ」を建学の精神として、医師7,000余名、歯科医師3,000余名、薬剤師600余命を全国に送り出してきました。2017年の看護学部開設に伴い、医・歯・薬・看護学部の4学部が同一キャンパスに揃う医療系総合大学とし、学部・講座の垣根を越えた密接な連携による教育・研究を行っています。チーム医療教育の強化により、「病気を診るのではなく、『人』を診ることのできる」深い人間性を備えた医療人の育成を目指します。

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