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講義No.04070

EUは世界を変える? 経済統合と金融危機、そしてEUの未来は?

大戦争の悲劇を繰り返さないために

 ヨーロッパでは、20世紀に二度の大きな戦争が繰り広げられました。その悲劇を繰り返さないために作られたのがEU(欧州連合)です。1993年に共通市場が立ち上げられ、域内貿易の障害がなくなりました。2002年には共通通貨ユーロを発行し、より高次の経済統合へ向かっています。
 ユーロは本来、域内だけの通貨でしたが、今ではアフリカ諸国やロシアとの貿易の決済にも使われています。EUは今後、世界経済への影響力を強めようとしているのです。

EUルールは世界標準?

 EUは、EUルールが世界標準となるように努めてきました。EUは地球温暖化を防ぐため「20-20-20ルール」を打ち出しています。2020年までにCO2など温暖化ガスの排出量を1990年比で20%削減し、再生可能エネルギーを全エネルギーの20%にまで高めるのです。この時、国家間あるいは企業間で温室効果ガスの排出量を取引するCO2排出の取引のほとんどは、ロンドンにある欧州気候取引所を通じて行われます。新エネルギー振興では、オランダやデンマークの企業の風力発電機が使われることになるでしょう。
 会計基準についても、米国基準とは別に、ヨーロッパ独自の基準を作り普及を図っています。名前こそ「国際会計基準」ですが、実態はヨーロッパに有利な基準です。

ギリシャ金融危機をどう乗り越えるのか

 EUは、2011年大きな危機に直面しました。域内のギリシャが、国債金利がはね上がり国家財政破綻の危機に直面したのです。ドイツ、フランスは、ギリシャ救済に対する自国民の反発を抑えながらも、ギリシャの破綻を何としても防ぐために、まるで綱渡りをするかのような際どい舵取りが求められました。
 平和構築のために設立されたEUには、戦略的思考、目標達成への粘り強さ、統合を進めながらの多様性の重視など、私たち日本が見習うべき点が数多くあります。

BREXIT後の欧州連合(EU)

夢ナビライブ2018 大阪会場

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この学問が向いているかも 経済政策、国際金融論、国際関係論

神戸大学
経済学部  教授
吉井 昌彦 先生

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メッセージ

 日々テレビのニュースを見たり、新聞をしっかり読むなど、政治や経済の動きに関心を持つよう心がけてください。新聞はインターネットでも簡単に読めます。できれば2紙以上、同じテーマについての社説を読み比べるとよいでしょう。テーマは同じでも新聞社によってとらえ方が違うので、物事を多面的に考えるよい訓練になり、受験勉強にも役立ちます。また可能なら、できるだけ早い時期に海外に行ってみましょう。海外でさまざまな体験をし、それがどんな意味を持つのかと考えることも、あなたの視野を広げてくれます。

先生の学問へのきっかけ

 学部時代にシベリア鉄道に乗って旧ソ連を旅し、なぜソ連経済は思っていたよりも貧しいのだろうと疑問をもつようになり、ソ連に暮らす人々がより豊かに暮らせるように、ソ連経済がうまく機能しない原因を解き明かしてみたいと思い研究者の道に入っていきました。そして、社会主義経済が崩壊した後は旧ソ連や中・東欧諸国の市場経済への移行過程を追い、中・東欧諸国がEU加盟を果たしていく中で、EUとは何なのか、EU経済はどうなっているのかに関心を持ちながら、中・東欧経済がどのように変化しているかを研究しています。

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 また、神戸大学では、人文・人間系、社会系、自然系、生命・医学系のいずれの学術分野においても世界トップレベルの学術研究を推進すると共に、世界に開かれた国際都市神戸に立地する大学として、 国際的で先端的な研究・教育の拠点になることを目指します。

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