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講義No.03910

日米でこんなに違う!? ことばの力を育む「絵本の読み聞かせ」

日本と米国では絵本の読み聞かせ方が違う?

 まだ文字が読めない小さな子どもに絵本を読み聞かせるのは、よくある子育ての光景です。しかし日本と米国のお母さんでは、「読み聞かせ」の方法に大きな違いがあることがわかりました。日本のお母さんは子どもの顔と絵本を交互に見ながら、あまり子どもとの会話をはさまずに、一定のリズムで絵本を読んでいく傾向があります。それに対して米国のお母さんに絵本を読み聞かせてもらうと、子どもを積極的に参加させる読み方をする傾向があります。

あおむしはどうするか、問いかけながら読む

 「はらぺこあおむし(アメリカの絵本作家、エリック・カール作)」という有名な絵本を例にとってみましょう。日曜日の朝にあおむしがこの世に生まれ、月曜日にりんごを食べてもまだおなかがすいていて、火曜日に梨を食べてもまだおなかがすいていて……と、1週間いろいろなものを食べて成長する物語です。絵本によくある繰り返しの技法が使われているのですが、日本のお母さんならすんなり最後まで読むところを、米国のお母さんは途中で「あおむしは、木曜日には4つのイチゴを食べました。でも、まだあおむしは……?」と読むのを止めて、今までの話の流れから子どもに答えを想像させたりします。

絵本の読み聞かせが語彙力や思考を育てる

 このように米国のお母さんは、常に子どもに問いかけ、答えを促す姿勢で絵本を読みます。米国人にとって絵本の読み聞かせはリーディングの基礎を作るためという意識が強く、対話をしながら読み聞かせる「ダイアロジック・リーディング」を自然に行っているのです。米国は自分の考えを言語化してはっきり主張する社会ですから、子どものときから母語である英語の言語能力や読み書き能力をきちんと育てる意識が浸透しているのでしょう。ダイアロジック・リーディングは、子どもと一緒に考え、子どもの語彙の増加や後々の読解力・コミュニケーション能力の発達にまで関わる、まさに「ことばを育てる」学習法であると言えるのです。

絵本の読み聞かせを通して~日米教育事情~

夢ナビライブ2018 大阪会場

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この学問が向いているかも 言語習得、発達心理学

大阪女学院大学
国際・英語学部 国際・英語学科 教授
加藤 映子 先生

メッセージ

 英語は日本人にとって身近な外国語です。しかし単に言語として学ぶだけでなく、英語を母語とする人々のことばについての考え方や文化にも目を向けると、非常に興味深い世界が見えてきます。そのひとつが家庭や学校での言語教育のあり方です。米国では子どもに「読み聞かせ」を始める年齢は日本よりずっと早く、生後わずか約5カ月からというデータもあります。言語は民族の歴史であり、異文化への扉でもあります。あなたも独自の視点で、豊かな語学の学びを追究してみませんか。

先生の学問へのきっかけ

 私は英語を学ぶことが好きで、中学生の頃から「絶対アメリカに留学する!」と宣言していました。そして本当にアメリカに留学して、「学ぶ楽しさ」を実感しました。「あなたはどう考えるか、どう思うか」ということを常に問いかけられるアメリカでの学びは、私にとってぴったりだったのです。受け身に学ぶのではなく、「自ら学ぶ」ということを、現在、日々の授業の中でも実践指導しています。そして、いまの研究テーマである「親はどのように絵本を読むか」は、大学院で受けた「子どものことばの発達」の授業がきっかけになりました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

通訳・翻訳/英語教員/商社/海外に拠点を持つあるいは海外取引の多いメーカー/金融・保険/旅行・観光/エアライン客室乗務員・グランドスタッフ/情報・通信/公務員/法務省/NGO職員など

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加藤 映子 先生がいらっしゃる
大阪女学院大学に関心を持ったら

 大阪女学院大学では、世界で起こっているトピックに、学生が真剣に取り組み、「ことば(英語)」で考え発信します。「トピックを見る」ことに終始せず、観る・視る・診る・看るというように、自らその問題に関わっていくという姿勢を貫いているのが大阪女学院スタイル。「誰かのために」使える英語を目標に、共にがんばるあなたを歓迎します。

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