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講義No.03897

公共性を誰が決めるのか

公共性があるかないかを二分することはできない

 「公共性」とは何でしょう。例えば私たちは、自宅に誰が住んでいるかを当然知っています。通っている学校の教室にいる友だちの名前も、通常は知っているでしょう。しかし、学校全体となると名前も顔もわからない人がいるはずです。それが公園ならば、そこに来る人が誰かを知っていることはふつうあり得ません。このことから、後に挙げた場所ほど、公共性が高いと理解できます。一般的には、「公共の場所」とは「不特定多数の人が出入りする場所」と考えられますが、実際には公共とそうでないものを明確に二分できるものではなく、その度合いが異なるだけなのです。

公共性の度合いは変化するのか

 公共性が高い・低いというのは変化するのでしょうか。スーパーマーケットは、いろいろな人が出入りしていますが、公園などと違うのは企業が運営している点です。行政がやらなくても、企業がやってくれますから、税金投入するような公共性は低いと言えるでしょう。ただ常にそう言えるかというと、必ずしもそうではありません。例えば過疎地にある唯一のスーパーが、人口減少で経営破綻し、撤退することになったとします。この状況下ではスーパーのような日用品を提供する場所の公共性は、一気に上昇します。住民にとっては、自分たちの労力やお金を費やしてでも、維持する必要性が出てきますし、行政も何らかの対策を考えることになるでしょう。

国や自治体だけで公共を維持管理することは難しい

 公共の場所の維持管理は、従来は、住民が税金を負担し国や自治体に任せていました。しかし、財政難などの理由で、行政がすべての管理を行うことが難しくなっています。そこで、住民自身や地域社会、あるいはボランティアやNPO、企業の社会貢献活動として維持管理する必要が出てきています。その場合、どの程度公共性があるかによって、誰が維持管理するのか、税金を投入すべきなのかどうかを判断しなければなりません。公共性の判断は、私たちが生活するうえで大変重要な問題となっているのです。


この学問が向いているかも 公共マネジメント学

下関市立大学
経済学部 公共マネジメント学科 教授
川野 祐二 先生

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メッセージ

 成功した偉大な企業家を調べると、ただ資産を増やすことのみ追求していたのではなく、「公益」にも強い関心をもっていたことがわかります。彼らは事業を通じて、いかに社会に貢献できるかを考えていましたし、利益を社会還元することにも関心がありました。私が「公共」に惹かれるようになったのは、このような事実を発見し、公共利益の奥深さを知ったからです。あなたも、大学に入ったら、こうした驚きを体験することでしょう。そのためには、自分なりにアンテナを張って、「不思議なこと」「楽しいこと」に気づくセンスを磨きましょう。

先生の学問へのきっかけ

 私は、お金もうけをしたかったのです。しかし、歴史的な大富豪は意外にも、お金もうけにこだわっていませんでした。成功した実業家は、「社会に貢献すること」を考えていました。彼らも「人々の幸福」に関心があったのです。私はいつの間にか、お金もうけとは真逆の、お金もうけを目的としない「NPO(非営利組織)」や「公共マネジメント」を研究するようになっていました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

地方銀行総合職/労働金庫総合職/市役所総合職/県庁総合職/専門商社総合職/物流会社総合職/新聞社総務/総合電器メーカー総合職/総合住宅建設企業営業職/食品メーカー総合職ITソリューション企業SEなど

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川野 祐二 先生がいらっしゃる
下関市立大学に関心を持ったら

 下関市立大学は、学生の「学ぶ力」を高めつつ、総合的な知識と専門的な学術を教授し、地域に根ざし、東アジアを中心に広く世界に目を向けた教育を実践することによって、現代社会に適応しうる創造的で教養豊かな高度職業人の育成をめざしています。
 
 経済学科では、経済理論を基に現代経済・地域経済を分析し、国際商学科では、実学を特色として国際感覚や情報処理を養い、公共マネジメント学科では、経営学を基礎に公共の場を効果的に動かすことができるよう育成します。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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