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講義No.03705

新しい機体の形を研究する航空工学

求められる機体の形

 あなたは飛行機というと、中央に先のとがった円筒形の胴体があり、大きな主翼が胴体の左右についている形を思い浮かべるでしょう。しかし、実は飛行機の形というものはこれだけではありません。空に上がる力を出すのに必要な翼の形と、目的地まで適正な燃費で飛べる推力を出すエンジン、載せたい量の人や荷物が入る胴体、この条件を満たしたうえで、さまざまな目的別の飛行機を開発しようと思えば、その形はいろいろなものが考えられるのです。

考え得るいろいろな形

 例えば、上下2枚の翼をもつ飛行機が考えられます。これは抵抗が小さくなるというメリットがあります。また、胴体をなくしてしまい、翼と一体化させて乗客を翼の中に入れるという形も考えられます。胴体は抵抗を発生させるので、それがなくなるということは性能が上がるのです。これなら、800人といった大量の乗客を運ぶ飛行機が実現できます。また、飛ぶ場所が変わると飛行機の形も変わります。火星を飛ぶ飛行機は、大気が非常に薄いところを飛ぶので形そのものも普通の飛行機とは違ってきますし、火星までの機体自体の運び方も、翼を折りたたみ式にしてロケットで運び、火星の上空で開いて飛ばすというアイデアが考えられます。さらには、従来の航空燃料ではなく水素燃料を使った飛行機や超音速機はどのような形になるか、ということも研究されています。

設計手法も進化する

 従来の設計手法は、主に経験的な統計データをもとにしていたのですが、新しい設計手法はそこに理論的な知識を組み合わせるようになっています。そこには空気力学や飛行力学、推進工学などさまざまな学問が絡み合います。それらを組み合わせて効率的に高性能の飛行機を設計する方法そのものも、進化を続けています。
 現在はコスト面や需要の点からすぐに実現するとは限りませんが、将来、このようにさまざまな形の飛行機が空を飛ぶかもしれないのです。

参考資料
1:翼だけの大型旅客機
2:水素燃料航空機

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この学問が向いているかも 航空工学、空気力学

東京大学
工学部 航空宇宙工学科 教授
李家 賢一 先生

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メッセージ

 将来を決めるときは、子どものころから興味を抱いていたことを大事にしてください。目先の利益にとらわれて「給料はこっちのほうが高いからこっちにしておこうか」などと惑わされず、自分が勉強したいと思ったテーマを選びましょう。
 また、人生には何度か、どちらへ進むべきかの選択に決断を下す場面があります。いったん決断したら、それを正しい判断だと信じ、「あっちのほうがよかったかも」などと悔やまないことです。きっと、そのとき下したあなたの決断がベストな判断なのです。

先生の学問へのきっかけ

 専門は「航空宇宙工学」で、航空機の設計に関する研究をしています。小学生の頃には、日本初の民間旅客機YS-11が飛行しており、超大型ジェット旅客機「ジャンボジェット」や音速よりも早く飛ぶ超音速旅客機「コンコルド」の就航開始などもありました。また、アポロ宇宙船による人類初の月面着陸、日本で初めての人工衛星「おおすみ」の打ち上げなど、航空・宇宙関係の話題が多く、それをきっかけにこの分野に興味を持ちました。

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 東京大学は、学界の代表的権威を集めた教授陣、多彩をきわめる学部・学科等組織、充実した諸施設、世界的業績などを誇っています。10学部、15の大学院研究科等、11の附置研究所、10の全学センター等で構成されています。「自ら原理に立ち戻って考える力」、「忍耐強く考え続ける力」、「自ら新しい発想を生み出す力」の3つの基礎力を鍛え、「知のプロフェッショナル」が育つ場でありたいと決意しています。

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