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講義No.03600

奈良は考古学の中心~瓦から歴史を読み解く~

古代の地層にすぐ行き当たる

 東大寺や法隆寺など古代の寺院が数多く残っている奈良は、考古学の研究にとって最適の土地です。例えば、平城京の発掘では1メートルも掘れば古代の地層に行き当たります。一方京都では平安京の地層にたどり着くのにかなり深く掘る必要があります。これは、古代に日本の都であった奈良が、その後はあまり都市として発展しなかったことに関係しています。京都は古代以降も引き続き都市として開発されたので大規模な造成がたびたび行われ、地層が重なっていきました。その点、奈良は古代の遺跡があまり壊されず残ったので、考古学にとっては研究しやすい場所なのです。

瓦が歴史を物語る

 古代の寺院などを研究する材料として瓦は重要な位置を占めています。この時代に瓦を使用しているのは寺院以外にほとんどなく、瓦が出土すればそこに寺院があったことがわかるからです。日本に瓦をつくる技術が伝わったのは、朝鮮半島からでした。日本で初めての寺院建築である飛鳥寺を建立するときに、朝鮮半島の百済(くだら)から瓦づくりの技術者が派遣されています。寺院は仏教施設なので、瓦には蓮(はす)の花をモチーフにした文様が施されていますが、瓦づくりの工房によってそのデザインには微妙な違いがあり、それを調べるとどの工房で製作されたのかがわかります。
 聖徳太子によって建立されたことがわかっている法隆寺のものと共通するデザインの瓦が、大阪の四天王寺でも発見されています。四天王寺は聖徳太子によってつくられたと伝わっていますが、正式な記録としては残っていません。しかし瓦に共通性があることから、四天王寺も聖徳太子によって建築されたことがわかります。このように瓦は歴史を読み解くことに貢献しているのです。

飛鳥時代が今も見られる

 瓦は再利用されることもあり、日本最初の寺院である飛鳥寺に使われていた瓦は、奈良にある元興寺の屋根の一部に今も使われています。1400年前の瓦そのものを現在も見ることができる奈良は、考古学が息づいた土地だと言えるのです。

参考資料
1:百済の瓦(7世紀)
2:白鳳時代の瓦(7世紀)

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この学問が向いているかも 考古学

帝塚山大学
文学部 日本文化学科 教授
清水 昭博 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 考古学に興味があればいろいろな場所に足を運んで、遺跡や博物館などで実物を見てほしいと思います。すると本を読むだけではわからない「実感」を得られます。考古学は英語でアーケオロジー(archaeology)と言いますが、冗談で「歩けオロジー」と言われたりします。つまり、実際に歩くフィールドワークから始まり、発掘調査、研究につながっていくのです。奈良という考古学の中心とも言える土地で、あなたと一緒にどんどん歩いていきたいと思っています。

先生の学問へのきっかけ

 日本の古代史に興味があり、文学部に入学しました。入学直後から参加した遺跡の発掘調査で出土品を掘り起こすうちに、考古学の面白さに目覚めたのです。卒業論文では、奈良の古代の仏教寺院から出土する土の?仏(せんぶつ)という仏像をテーマに選びました。そして大学卒業後は、奈良県内の発掘調査をする研究所に勤務し、法隆寺や東大寺などの仏教寺院の調査に携わりました。そして、寺院跡から出土する瓦を専門に研究するようになったのです。現在も東アジア各地の瓦の情報を解読し、記録にない歴史をひもとく作業を続けています。

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