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講義No.03538

ユーザーの求める通信品質を提供するネットワークとは

情報の「遅延」に対する保証の必要性

 インターネットの普及により、ファイル転送などのデータの転送だけでなく、インターネット電話やテレビ会議、動画配信など、音声と動画をリアルタイムでやり取りするマルチメディア通信が盛んに行われるようになりました。それにともない、ユーザーの求める通信品質にも変化が起こっています。これまで通りデータを損なうことなく正確に相手に送り届けることに加えて、音声や動画が途切れる「遅延」に対する保証も必要となってきているのです。

通信経路の観測と計測によるデータ転送の制御

 さまざまな容量と性質のデータがネットワーク上を大量に流れることにより、情報の“渋滞”が起こります。そこでネットワークとネットワークをつなぐ「ルータ」という中継器を効率よく使用して、デジタル情報を円滑に受信先の端末に届けるといった、高品質な通信網の実現が課題となるのです。現在、デジタル情報が流れる通信経路の観測、計測から、それぞれのデータを性質に合わせてデータの流れをコントロールし、システマティック(体系的)にネットワーク上に情報を伝達させる研究が進められています。そうやってデータを制御することが、ユーザー個々の要求を可能な限り満たす、通信品質の向上につながるのです。

環境に優しいネットワークの構築をめざして

 さらに、ネットワークが社会インフラとして整備されている日本においては、環境を意識した省電力化「グリーンICT(情報通信技術を利用した環境保護)」も現在の課題です。省電力化と通信品質の向上は一見、相反するように見えます。しかし現状は、時間帯により使用されていない装置や回線が多くあります。これらの設備を使用しないときには電力の供給をストップさせることで、環境にも優しい、高品質のネットワークを構築することが可能なのです。現在、環境問題にも寄与できるネットワークの実現に向け、研究が進められています。


この学問が向いているかも 情報工学

九州工業大学
情報工学部 情報・通信工学科 准教授
川原 憲治 先生

メッセージ

 私たちの研究室ではコンピュータネットワークを構築し、その効率的な利用方法を検討します。実際に手を動かし、数学的な方式を検討することで、モノを作るということや、研究としての考え方に結び付くことになります。さらにそこにオリジナルの活用術が加わることで、広がりを見せる分野でもあります。オリジナリティを有し一芸に秀でるということは、研究のうえでも社会に出てからも強いものになると思います。あなた自身の興味を見つけ出し、一歩ずつ自分の進むべき道を歩んでください。

先生の学問へのきっかけ

 今の専門分野に興味を持ったのは大学生だった頃です。そのころのインターネットは学術利用のみに限定されていましたが、webやe-mailの有用性は既に実証されており、ビジネスなどへの商用利用も期待されていた時代でした。当時は、ネットワーク構築に向けての理論的な枠組の確立や実証実験など魅力的な研究テーマが数多くあり、研究活動に没頭する日々を送っていました。現在ではインターネット自体が既に通信インフラとして確立された感はありますが、その利用方法や通信技術、特に無線アクセス技術については、まだ検討の必要があります。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

SE(システムエンジニア)/SI(システムインテグレータ)/ソフトウェア開発・保守/Webデザイナー/セールスエンジニア/ICT関連機器管理・保守

大学アイコン
川原 憲治 先生がいらっしゃる
九州工業大学に関心を持ったら

 「情報工学」は、高度情報化社会の進展の中で、ますます必須知識・ 技術となっています。九州工業大学情報工学部は1986年 に創設された日本初、現在も国立大学法人で唯一の情報工学部で、2016年に創設30周年を迎えました。知能情報工学科、電子情報工学科、システム創成情報工学科、機械情報工学科、生命情報工学科の5学科があり、情報工学の学びを軸としつつ、各学科の応用分野に対する教育研究を進めています。特に、教育システムは、全学科がJABEEに認定され、世界的に通用するものであることが保証されています。

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