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講義No.03490

医療廃棄物を清浄無害化せよ! 電気分解の秘めたるパワー

医薬品の廃棄物の処理をどうする?

 日々さまざまな処置が行われる病院では、医薬品の廃棄物が出ます。この廃棄物が環境や人体に与える影響は無視できません。院内感染などを防ぐために使われる高水準の消毒薬は、効き目が強いほど病気の原因となる細菌や微生物を死滅させることができます。しかし、直接触れると皮膚が荒れたり、目が痛むなど人間の体にも悪影響を及ぼすため、医療従事者への健康被害や、廃棄物として捨てた際の環境への影響が懸念されてきました。また、がん患者の治療に使われる抗がん薬は、がん細胞をやっつけるとともに正常な細胞にも影響を与えるため、病院の中で余剰となった抗がん薬の廃棄には慎重な処理が必要です。抗菌薬・抗ウイルス薬は狙った微生物だけを死滅させる優れた薬剤ですが、廃棄により環境に流れ出してしまうと、自然界にいる菌やウイルスがその薬剤に対する耐性を持ってしまいます。

食塩水を電気分解して消毒薬をつくる

 これらの医薬品には、人体に影響の少ない代替品を使うことや、廃棄前の安全な処理が求められます。小さな医療機関でもできる手段として、電解水および電解水生成法を応用して、効果が高くかつ人体や環境に影響の少ない消毒薬を作る方法が注目されています。食塩水を電気分解するとできる次亜塩素酸ナトリウムが主成分の電解水は、高水準消毒薬と同等の効果を持ちながら低毒性で分解性がよく、現在使われている消毒薬の代替品として期待が持てます。

医療廃液を電気分解で無毒化

 また、医療廃液を電気分解により無毒化する方法の研究も進んでいます。消毒薬や抗がん薬、抗菌薬を含む医療廃液を電気分解により医療現場で簡単に処理できれば、環境に対する負荷が軽減され、生態系や人体への影響の懸念も少なくなります。また、現在最も確実な処理法である焼却法よりも、ずっと手軽でコストがかからず、地球にもやさしい方法です。多くのメリットがある電気分解処理装置を広く現場に普及させるためにも、応用範囲の拡大や機械の小型化が急務になっています。

病原微生物との上手な付き合い方!?

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この学問が向いているかも 医学

大阪医科大学
医学部 医学科 微生物学教室 教授
中野 隆史 先生

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メッセージ

 微生物学研究は、医学の中では一般にあまりなじみのないものかもしれません。ずっと研究室の中で顕微鏡をのぞいて研究をしているイメージでしょうか。しかし、微生物学研究には臨床の現場も非常に大事です。患者さんのそれぞれの苦痛や悩みを直接聞くことにより、なんとか病気を治したいという思いが新たな研究のモチベーションとなります。医療現場で日々実際に起こっていることを知り問題意識を持つことと、それを解決するための研究理論の両輪が組み合わさって初めて、明日への医学の進歩があるのです。

先生の学問へのきっかけ

 小学生の頃、なりたかった職業は、1位:パイロット、2位:医者でした。パイロットは格好いい、医者は人の役に立てる仕事というイメージでした。医学の道に進んだのは、野口英世の本を読んで細菌の存在を知り、高校生のときに顕微鏡でゾウリムシを見て、微生物に興味がわいたことがきっかけでした。手術で一人ひとりの命を助ける医者も必要だけど、微生物を利用して薬を作らせる「バイオテクノロジー」による治療法の開発ができれば、何百万人の命を同時に救うことができると思い、研究医になろうと決意したのです。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

病院やクリニックで働く臨床医、医師や医療職を養成する大学等で教える教員、国や地方公共団体の保健衛生関連職(医療政策などを担当する)や医療専門職(検疫所や保健所・衛生研究所等で働く医師。検疫所長や保健所長は医師しかなれません)、大きな会社の専従産業医(働く人々の健康を守る仕事)、監察医や法医学教室の医師(死体しか診ない医者)、途上国でエイズやマラリア対策をする医療専門家、政治家(衆議院議員など)、作家、タレント などなど

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中野 隆史 先生がいらっしゃる
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 大阪医科大学は1927年の創立以来、「高度な医療職業人の育成」を標榜し、現在までにおよそ9,000名もの医師を輩出してきました。平成22年春に新たに看護学部を開設し医学部生と看護学部生がともに学べる学習環境を確立し、「医看融合教育」を実現。
 現代のチーム医療における医師、そして看護職者としての役割を学生時代から強く意識できる恵まれた医療教育の環境の中、社会に貢献できる高度医療人を育成します。

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