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大阪医科薬科大学の教員による講義

関心ワード
  • 先天性心疾患、
  • 心室、
  • 動脈、
  • 心臓、
  • 手術、
  • 赤ちゃん、
  • 肺、
  • 血液、
  • フォンタン手術

大人と子ども、心臓手術にみる決定的な違い

赤ちゃんの心臓手術は大人の手術とは大違い

 機械などを長い間使っていると、異常が出て壊れたりしますが、大人の心臓にも同じようなことが起こります。薬で解決できない場合は手術で治しますが、基本的に調子の悪いところを人工弁や人工血管で置き換えます。体外循環という装置を使って心臓を止めながら安全に行うことがポイントになります。術後は生活習慣病などによる合併症を起こさないよう注意が必要です。
 ところが赤ちゃんの患者となると、手術自体に対する考え方がまったく異なります。赤ちゃんの心臓は、まだ人生のスタート地点に立ったばかりなのです。これから先何十年も続く人生を支えていく心臓に治すという視点が求められます。

心室が一つしかない赤ちゃんの手術

 例えば先天性心疾患で、働ける心室を一つしか持たずに生まれてくる赤ちゃんがいたとします。正常な心臓なら血液は静脈を通って心臓に戻り肺に送られます。肺で酸素をたっぷりと含んだ血液が、心臓から動脈を経て再び体中に送り込まれていきます。
 しかし心室が一つしかないと、静脈血と動脈血が混ざり合ってしまうのです。そのため、赤ちゃんにチアノーゼ(皮膚や粘膜が青くなること)が出てしまいます。そこで行われるのがフォンタン手術で、上大静脈と下大静脈の両方を直接肺につなぐものです。そして肺から戻ってきた酸素たっぷりの血液を、一つある心室の力で体内に送り出します。

赤ちゃんは未来からの留学生

 フォンタン手術も、決して万能ではありません。赤ちゃんの状態によっては、別のやり方で治療しなければならない場合や、カテーテル治療や薬を使う場合もあります。
 絶対に忘れてはならないのが、赤ちゃんは未来からの留学生だということです。医師には、赤ちゃんを何としてでも元気にし、きちんと未来に送り届けてあげる責任があります。また赤ちゃんとは言葉によるコミュニケーションを取ることもできません。そのためお母さんとお父さんをはじめ看護師などパラメディカルスタッフと強固なチームを組んで、治療に携わる必要があるのです。

参考資料
1:図-正常な心臓とフォンタン手術
この学問が向いているかも 心臓外科学、胸部外科学、医学


医学部 医学科 外科学講座 胸部外科学教室 教授
根本 慎太郎 先生

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メッセージ

 高校生のあなた! 現在そして未来に向かって医学(病気のメカニズムをさまざまな方法で探り、新しい治療を開発して行く学問)と医療(病気だけではなく患者さんをチームで効果的に診断・治療していくシステム作り)を私たちと一緒に探究しませんか? 「よーし! 世のため人のため、そして自分のために医師になるぞ!」というあなたの熱意を大阪医科大学は応援します。世界に打って出るチャンスも自分の手で掴めます! アットホームな雰囲気の中で活躍している様子をいつでも見に来てください!

先生の学問へのきっかけ

 拡張型心筋症の男性が心臓移植を受けられずに亡くなったことへの無念や、弁膜症の女性の手術で止められた心臓が再び動き出して無事に退院していった感動を経験し、心臓に関わりたいと強く思いました。卒業後、心臓外科医になるためのトレーニングの中で、複雑な解剖に精緻なテクニックで挑んでいく、小児の先天心疾患の手術に興味を持ちました。赤ちゃんが無事に手術を乗り切り、80年の人生をスタートできるように手術テクニックを磨き、果てしないゴールに向けて、将来の担い手である医学生と若いドクターたちと共に頑張っています。

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