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講義No.03442

各分野の連携で「社会的防災」の体制づくりを急げ!

日本は自然災害の多さから防災対策が発達

 日本は小さな国土ですが、地震津波・台風などの災害につながる自然現象が多く、また災害の起きやすい地域に人が密集して住んでいます。過去に何度も自然災害に見舞われた経験から防災・減災対策が発達してきました。防災には2つの側面、堤防づくりや建物耐震技術に代表される「物理的防災」と、人々の意識や行動に働きかける「社会的防災」があります。しかし、近年は少子高齢化や経済状況の変化によって今までとは違った対策が必要になってきています。

遅れている社会的防災

 20世紀の日本では、関東大震災、伊勢湾台風など大規模な災害を経験として、主に物理的防災の整備を進めてきました。その結果、確かに自然災害被害は減少してきたのです。
 しかし、1995年に阪神・淡路大震災が、2011年に東日本大震災が起こり現代の日本社会に強い衝撃を与えました。地震が都市に起こると古い木造家屋密集地域で住宅倒壊が起こり同時に火災も発生すること、世界でも稀にみる大規模地震により発生した津波は広範囲にわたり地域社会を壊滅させてしまうこと、またそれらが多くの人々の命を奪ってしまうことをあらためて私たちに示しました。この対策を考えるためには、もはや物理的な対抗力だけでなく住まいやコミュニティ、家族のかたちや集落の配置といった地域社会のあり方にまで踏み込んで考えねばなりません。これからの防災・減災の取り組みは、物理的、社会的対策の両面からこれまで以上に高めていくことが求められています。

多様な分野が連携してリスクを軽減

 多くの災害被害は、直接的な構造物被害だけでなく、地域状況や社会の状況から二次的・三次的な被害が拡大します。より一層の物理的防災の強化に加えて、社会的防災面で、建築学や災害社会学、経済学、医療、心理学、保健福祉など、さまざまな分野が連携して安全対策を立てて、今後の災害に備えていくことが緊急課題として考えられています。


この学問が向いているかも 防災学

関西大学
社会安全学部 安全マネジメント学科 教授
越山 健治 先生

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メッセージ

 自然災害が起こるかどうかは、自然の力と人間の住み方との関係で決まります。自然の力に対抗して、より強く防御するのが「防災」の概念ですが、得てして自然は人間の想像を遙かに超えてやってきて、私たちは繰り返し被害を受けてきました。最近では、自然の偉大な力を尊び、その中でいかにうまく暮らしていくか、ここに「減災」という概念が生まれてきています。科学の英知を生かし、生活の中でこの自然と安全につきあっていくにはどうしたらよいのか、この学部で新しいアイディアを共に考えていきませんか?

先生の学問へのきっかけ

 大学生の時の1995年1月に、阪神・淡路大震災を経験しました。当時、住んでいた地域は大きな被害を受けました。こうした体験から「どうにかして安全な都市や街を作らなければならない」と真剣に考えるようになったのです。それが、都市災害を研究すると決意したきっかけです。現在は、災害に強い街作りをめざし、建築学から経済学、医学など多岐にわたる分野を広く研究しています。

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越山 健治 先生がいらっしゃる
関西大学に関心を持ったら

 1886年、「関西法律学校」として開学した関西大学。商都・大阪に立地する大学らしく、学理と実際との調和を意味する「学の実化」を教育理念に掲げています。2010年4月には、JR高槻駅前の高槻ミューズキャンパスと、大阪第2の政令指定都市である堺市の堺キャンパスと、2つの都市型キャンパスを開設。安全・安心をデザインできる社会貢献型の人材を育成する「社会安全学部<高槻ミューズキャンパス>」、スポーツと健康、福祉と健康を総合的に学ぶ「人間健康学部<堺キャンパス>」を開設しました。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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