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大阪大学の教員によるミニ講義

関心ワード
  • 抗がん剤、
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  • 治療、
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DDS(ドラッグ・デリバリー・システム)

必要な量の薬を効果的に患部に届ける

 DDS(ドラッグ・デリバリー・システム)とは、「薬物送達システム」のことで、“必要な量の薬物を、体内の必要な場所に、必要なときに供給する手段”のことです。一般的に内服や注射で投与された薬物は、血液に乗って体内を循環します。そのため患部にだけ作用してほしい薬物が、正常な組織にも拡散してしまい、肝心の患部に届く量はごく一部です。患部に届く薬物量が少ないと効果が得られないために投与量を増やさなければなりませんが、その場合正常な組織に拡散する薬物が増えてしまい副作用の原因となります。DDSは薬物の過剰な投与や副作用を抑え、より安全で、効果的に患部に薬物を運ぶ手段として研究が進められています。

抗がん剤投与に朗報

 DDSの恩恵が大きい薬物のひとつが抗がん剤です。がん細胞の活発な増殖を抑える抗がん剤は、血液中に入って全身を循環するため、髪の毛を作るような健康で活発な細胞にも悪影響を与えます。これが抗がん剤投与によって「髪の毛が抜ける」副作用の原因です。例えるなら現在の抗がん剤治療は、高層ビルの上層階で起きている火事(がん)を消すのに、燃えている所だけに放水するのではなく、ビル全体(体全体)を水浸しにして消火しているようなものなのです。なんとか患部(がん)のみに効果が現れる抗がん剤治療ができないか、というのが患者や医師の長年の望みでしたが、DDSはまさにピンポイントで患部にのみ放水し、消火を可能にしようとするものです。

ジワジワ作戦とミサイル作戦でデリバリー

 DDSには、薬物を一定期間にわたって一定の速度で放出させるシステムや、患部を正しく選んで、ピンポイントに薬物を輸送するターゲッティングシステムなどがあります。一定期間にジワジワ放出させるには、高分子の膜などで薬物を包んで透過量をコントロールする方法があります。狙った場所に的確に輸送するには、患部に集まる性質を持つ物質で作られた膜に薬物を封じ込めて狙い撃ちする方法があり、別名ミサイル療法と呼ばれています。

注射器要らず! 皮膚にペタッと貼るワクチン

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薬学部  教授
中川 晋作

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メッセージ

 研究=知識ではありません。大学に入学するには最低限の知識が必要ですが、重要なのは知識をどれだけ持っているかではなく、生きていく上でどう知識を使いこなせるかです。薬学の研究も同じで、どうしたら患者さんに副作用が起こることなく治療できるか、ひとつの治療法がダメならどこをどう改善すればいいのか、などの攻め方を持てる知識を駆使して考えていくことが大切です。大学では“研究”を題材にして科学的論理思考に基づいた総合判断力を身につけてほしいと思っています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

製薬メーカー研究者/独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)職員/大学研究者 ほか

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