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講義No.03331

世の中をスムーズに動かす「仕掛け」のチカラ

人々の言動には因果関係がある

 人はどうして日々いろいろな言動をするのでしょうか。人々の言動や社会現象の背後には、何かしらの因果関係が存在すると推測されます。その因果関係を明らかにする手段のひとつに、認知的アプローチがあります。この世界には、見えているはずなのに見ていない、聞こえているはずなのに聞いていないことがたくさん存在し、実はそれらが人々の行動に大きな影響を及ぼしています。ちょっとした「仕掛け」によって、それらへの気づきを促すことができます。つまり、人々にしてもらいたい行動があるのになかなかしてもらえない場合、ある「仕掛け」をすることで、スムーズに行動してくれるようになるのです。

公共の場における「仕掛け」の効果

 このような「仕掛け」を活用した事例は世界中で見られます。オランダのスキポール空港では、男性用の小便器に小さなハエを描くことによって人々がそこに狙いを定めるようになり、結果として尿の飛散が大幅に減少し、莫大な清掃コストを削減することができました。また、ペットボトル回収ボックスにキャップ用の小さな穴を別に設けることで、みんながキャップを外してボックスに入れるようになり、分別回収が容易になったと同時にボトルを簡単に圧縮できるようになったため、回収効率が非常に上がりました。

マーケティングにも有効な「仕掛け」

 また、認知的な偏りを仕掛けに応用することもできます。例えば、メニューに表示する情報(例えばカロリーや塩分量)や陳列棚での料理の配置によって選ばれる料理を変えることもできます。さまざまな「仕掛け」をうまく応用すれば、公共の空間での行動を促すだけでなく、スーパーやコンビニなどで商品をどう訴求すれば効率よく買ってもらえるのかといった販売促進や、マーケティングにも役立ちます。「仕掛け」のメカニズムを解き明かして活用すれば、大いなる可能性が広がるのです。

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この学問が向いているかも 経営学

大阪大学
経済学部 経営学系専攻 教授
松村 真宏 先生

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メッセージ

 高校時代は受けられる授業がほぼ決まっていますが、大学では自分で選択できる範囲が広がります。興味のあることであれば、専攻分野にとらわれず学んでみましょう。大阪大学ではほかの学部の単位もとることができるので、このシステムをどんどん有効活用してほしいと思います。今は文系・理系の枠を越え、学際的な「知」が求められる時代です。全く考え方の異なるフィールドにアンテナを広げることによって、ひとつのことを多面的に見ることができるようになり、それが本当に豊かな「知」を生み出します。

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