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講義No.03284

地球環境の変動を探るミランコビッチサイクル

氷期と間氷期は交互にやってくる

 地球の気候が長期にわたって寒冷化する「氷河期」は、南極や北極の氷床、山地の氷河が発達する時期のことです。氷河期の中の寒い時期を「氷期」、暖かい時期を「間氷期」と言い、現在はその「間氷期」にあるとされています。過去260万年間は、氷期と間氷期が交互にやって来ています。
 さらに、この氷期・間氷期は一定のリズムで起こっているとされています。その原因をセルビアの地球物理学者M・ミランコビッチは、地球が受ける太陽放射量の変化に求めました。「ミランコビッチサイクル」と呼ばれるもので、北半球高緯度の夏季日射量が減少すると氷期になり、日射量が増加すると間氷期になると考えられています。

太陽の放射量が影響?

 1930年、ミランコビッチは太陽放射量の変化に影響するものの要因として1.地球の自転軸の傾き 2.地球公転軌道の離心率 3.歳差(さいさ)運動の3つを挙げました。自転軸の傾きは23.5度と言われますが、地軸の傾きは4万年周期で22.1度~24.5度の間を変化しています。また、地球が太陽の周囲を公転するとき、軌道は真円でなく楕円で、その離心率(楕円など円錐曲線を決める定数)は、10万年周期で変化します。さらに、コマの回転が弱まると軸が傾き首を振るように円形を描く歳差運動で、地球の自転軸の方向は、約2万年で一周します。これらのことがらから地球への季節ごとの日射量は、たとえ太陽放射量が一定であったとしても、数万年から数十万年の間で変化することになると考えたのです。

ミランコビッチ説を実証する化石

 しかし、このミランコビッチの説も1960年代まで証明されるものがなく、一時は廃れかかっていました。ところが、1970年代に海洋底のボーリング調査が行われ、そこで採取された「有孔虫(原生動物に属する生物)」の化石から得られた情報が、ミランコビッチの出した変動周期に近いものであることがわかり、現在では彼の説が再び見直されることになったのです。


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神戸大学
発達科学部 人間環境学科 自然環境論コース 准教授
大串 健一 先生

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メッセージ

 地球温暖化など地球環境問題には、学問分野の壁を越えて学際的な取り組みが必要になっています。若いあなたは自分が何が好きなのか、何が得意なのかまだわからない人も多いと思います。しかし必ず自分の向いている分野があるはずです。数学や物理は気候モデルなどをつくって予測する分野で、地学は化石などから過去の地球環境を復元する分野で、また化学なら温室効果ガスの循環の仕組みを調べる分野で役に立ちます。好きになれる科目または得意な科目をつくって、将来その知識を生かして地球環境という難しい問題に取り組んでほしいです。

先生の学問へのきっかけ

 研究対象は、スケールの大きい自然環境です。海洋研究船で太平洋や北極海の深海底の地層を採取して、そこに含まれる化石や化学成分などを分析して過去の海洋環境を推定したりしています。地学に興味を持ったきっかけは子どもの頃の環境が影響しているかもしれません。栃木県の田舎町で育ち、川に魚釣りにいくなど自然と接することが好きな少年でした。小学生の頃は恐竜が好きで、大学は理学部の地球科学科に入学し、大学院時代に海洋研究船に乗船する機会があり、深海底や海の環境変動の研究に魅力を感じるようになったのです。

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