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講義No.03283

子どもは自己意識をいつから持っているの?

自己認識度を調べるには

 大人は鏡を見て、鏡の中に映る姿を自分だと当たり前のように認識しますが、赤ちゃんはどうでしょうか? 「私は私だという自己意識は最初から自明のものか」という、子どもの発達を研究するときにしばしば問われるテーマがあります。
 この問いは、「マークテスト」という実験で調べることができます。赤ちゃんに気づかれないように、鼻や頬などに口紅をつけて鏡を見せます。口紅のついた部位を触ったり拭ったりすれば、「鏡の中の姿が自分だ」と認識していると判断します。

何歳で“わたし”がわかるか?

 マークテストを行うと、1歳前半の子どもでは、口紅のついた部位を自発的に触る子どもはほとんどいません。しかし、1歳後半になると、教えられなくても自分で口紅を拭う子どもの割合がグンと増え、約6~7割に達します。つまり、1歳後半で多くの子どもが自己認識できるようになるのです。またこのころ、恥ずかしい・照れくさいといった複雑な感情も表れるようになります。
 自閉症の子どもの場合、同じように発達年齢1歳後半で口紅を拭う子どもはいますが、自己鏡像に対する感情の表し方は独特なものであることが多いようです。発達心理学の分野では、このような研究を積み重ね、障がいのある子どもたちへの適切な支援を考える資料も提供してきています。

進化の謎を解き明かす

 人間以外の動物で、このマークテストを行うとどのような結果になるでしょうか? チンパンジーやオランウータンなどの大型類人猿は、このマークテストをクリアしました。つまり、自己認識ができるという結果が出たのです。
 子どもの発達研究を通じて、興味深いことがたくさん見えてきます。ほかの動物との比較を行うなど、さまざまな角度から子どもを見れば、進化の謎を解き明かすような、さらに興味深い事実が見つかるかもしれません。


この学問が向いているかも 発達心理学

神戸大学
発達科学部 人間形成学科 子ども発達論コース 教授
木下 孝司 先生

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メッセージ

 大学の学びは、自分で問いを発して、いろいろな方法を使って、それの答えを導きだす力を育むことをめざしています。ですから、高校生のうちから世の中を見て、自分自身で問いかけ、考えていく練習をしておきましょう。
 また、子どもへの支援は、多くの仲間でお互いがお互いをサポートしながら行っていく仕事です。決して一人ではできません。熱い心、冷静な頭、そして多くの人とつながる手をしっかり養い、いろいろな立場から子どもの発達を保障する人になっていってほしいと思います。

先生の学問へのきっかけ

 臨床心理学を学ぶつもりで大学に入学しましたが、重度の障がい者の方の施設でアルバイトをしたり、保育園の乳児クラスでお手伝いをしたことで、子どもの発達に関心を抱くようになりました。保育園の子どもを見ていると、何の意識もしないで言葉を操るようになることを、とてもすごいことなのだと実感しました。そうした学生時代の経験を通して、障がいのある子どもたちの支援に関わる仕事をしたいと思うようになりました。そして、もっと子どもの発達のことを知りたい、研究したいという思いが強くなり、大学院へ進んだのです。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

保育園保育士、幼稚園教諭、小学校教諭、特別支援学校教諭、大学教員、地方自治体発達相談員、おもちゃメーカーマーケティング、子ども用品販売

大学アイコン
木下 孝司 先生がいらっしゃる
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 神戸大学は、国際都市神戸のもつ開放的な環境の中にあって、人間性・創造性・国際性・専門性を高める教育を行っています。
 また、神戸大学では、人文・人間系、社会系、自然系、生命・医学系のいずれの学術分野においても世界トップレベルの学術研究を推進すると共に、世界に開かれた国際都市神戸に立地する大学として、 国際的で先端的な研究・教育の拠点になることを目指します。

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