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講義No.03182

今、起きていることを「鳥の目」で記録する

アメリカも日本も環境問題に発展する過程は同じ

 映画『エリン・ブロコビッチ』は、アメリカ史上最高額の和解金を獲得した女性の実話をもとにしています。俳優のジュリア・ロバーツ扮する幼い子どもを抱えたエリンが、アシスタントとして働く弁護士事務所で不審な書類を見つけたことをきっかけに、地域住民や毒物学の教授に話を聞いたり、水道局にまで足を伸ばしたりして地道な調査を行います。その結果、地元の大企業が有毒な六価クロムをきちんと処理せずに、工場排水としてそのまま垂れ流しにしていることがわかりました。健康被害を受けながらも、地域住民はさまざまな事情を抱えているがゆえに及び腰になっていましたが、エリンの説得で訴訟に踏み切ります。
 映画はこのようなストーリーで展開していきますが、こうした一連の流れは、環境問題を抱える日本の市民運動でもほぼ同じです。

運動に参加しながら観察・記録する

 「最近、なんだかのどが痛い」「空気清浄機のフィルターがよく汚れる」など、日常の小さな異常が問題として認識され、さらに市民運動へと発展するまでにはたくさんのハードルがあります。この推移を見届けるのも「社会学」の一分野です。どのような健康被害や生活被害を受けているのか、その被害を住民たちはどう受け止めているのか、行動を起こすきっかけは何かなど、調査対象となる地域社会・集団に参加して、記録を取りながらそのメカニズムを探っていくのです。

物事を客観的にとらえる「鳥の目」を養う

 テレビのニュースなどで取り上げられることがらは、実際に起こっていることのごく一部にしか過ぎません。ひとたび問題が発生すれば人間関係も変わっていくなど、騒動の水面下ではさまざまなことが起こっているのです。それらの事象を客観的にとらえ、記録していくことが重要です。
 鳥瞰(ちょうかん)という言葉がありますが、社会学はまさに鳥の目のように物事の全体を見渡す目を養う学問だと言えます。自分自身や社会を「鳥の目」で見ると、見慣れた風景も随分と変わって見えるかもしれません。

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この学問が向いているかも 社会学

中京大学
現代社会学部 現代社会学科 教授
成 元哲 先生

メッセージ

 私は、すべての喜びの源泉であり、すべての悩みの源泉でもある“他者との関係”を眺めてみたくて、社会学を始めました。人はいつもつながりの中で生きています。人と人とのつながり、それがまさに社会そのものなのです。友だち関係や親子関係などは個人的な問題ととらえがちですが、これも実は社会の問題です。いろいろな悩みを抱えてしまったときは、前線で戦おうとせず、一旦ぬけだして「鳥の目」で眺めて見るといいかもしれません。自分の目を「内」だけではなく、「外」へ向けることに社会学は大いに役立つと思います。

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