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講義No.03096

人の感性を分析してものづくりに生かす

便利さを追求するあまり、使い手がなおざりに

 テレビにエアコン、照明など、ひとたびリモコンのボタンを押せば、瞬時にことが運ぶので便利です。しかし、全く押したことがないリモコンのボタンもあるのではないでしょうか? いくら多機能でも使いこなせなくては意味がありません。これまで日本の産業界は、人々に便利なものが行き渡るように企業がしのぎを削ってきました。その結果、技術力が飛躍的に向上し、私たちの生活も便利になりました。しかし、その半面、リモコンのように多機能過ぎて使いこなせないものも出てきました。つまり、便利さを追求するあまり、使い手である人間がなおざりになってしまったのです。

人間の感性に働きかける

 企業の技術が横並びになった現代、便利さのみの追求は見直されてきています。代わって登場したのが、持っているだけでうれしい、使えば使うほど楽しくなるというような、人間の感性に働きかけて共感や感動を得る新しい価値基準です。そこで注目を集めているのが、人間を中心にものづくりを考える「感性工学」です。人の感性と機械を結びつけるにはどうしたらいいか、製品として表現するシステムづくりが進められています。

感性豊かな文化を生かして日本オリジナルをつくる

 例えば、「人間の気持ちとファッションの関係」に着目するとします。まずは色と形状の2つから受ける印象について、アンケート調査を行います。そのデータをもとに感性を数値化するのです。データから色と形状の関係を探り出し、さらにアンケート参加者の性格診断を加えます。それにより、「Aタイプの人は赤色で○○の形を好む」といった傾向がわかるわけです。そこから、人の感性にフィットするファッションをつくるためのシステムを設計します。
 日本人はその昔、「紅(くれない)」や「萌黄色(もえぎいろ)」など、同じように見える色でも、ちょっとした色の変化を見事にとらえ、表現豊かな言葉にしました。この感性豊かな文化の特徴を今に生かせば、今後もたくさんの日本オリジナルのものづくりができることでしょう。

「ものづくり」のための感性工学

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この学問が向いているかも 感性工学、情報工学

中京大学
工学部 機械システム工学科 教授
井口 弘和 先生

メッセージ

 感性工学は、生活に関係するものがすべて対象になるので、ぜひ女性にも活躍してもらいたいと思います。女性は男性に比べて感性が鋭いですし、感性工学は心理研究の占める割合が多い分野ですから入りやすいのではないでしょうか。華やかに活躍している文系の人に対して、理系は地味な印象があるかもしれませんが、自分の作った製品が世に出て残るというのは、非常に意義のあることです。世の中を変えたいと思ったら、エンジニアとしてよいものを作って、みんなの生活を変えるのも一つの方法なのです。

先生の学問へのきっかけ

 トヨタの中央研究所に所属していた時は、ドライバーの快適性を研究していました。しかし、不快な音や振動や熱をなくすことだけでは良い製品にはならないと思い、もっと楽しくなる、感動できる製品づくりをしたいと考えて「感性」に注目し、研究を始めました。現在、大学では、あらゆる日用品を対象にして、人間の特徴を生かした面白い製品づくりのための研究をしています。

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