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講義No.02963

「分子をくっつけたり、離したりする道具をつくる!?」

分子を反応させて、変換する道具をつくる

 有機化学のなかには、「物づくりをするための道具づくり」という分野があります。ある一定の目的をもって、有機化合物に金属(例えば鉄や銅、コバルトなど)を触媒として加えると、新しい化合物ができたりします。意図したものができれば良いし、ときには、意図していない新しい分子構造を持った化合物ができたりします。つまり、思った通りの「道具」ができたり、思いもしなかった「道具」を発見することがあるのです。この新しい化合物ができる「道具」を「なにかほかのものをつくるときに使えないか?」と考えるわけです。

つくられた道具は、次世代の医薬品候補に

 例えば、「このサイズのペンチをつくろうと思っていたけど、違うサイズの別のものができてしまった」とします。一見、失敗かと思われますが、使ってみたら意外に使い勝手がよいという場合があります。
 このつくり出された「道具(化合物や方法)」は、いろいろなものをつくるのに役立ちます。それは、医薬品の候補となる化合物だったり、次世代の電子材料になる有機化合物になったりします。古い「道具」では、新しいものはできません。そのため、新しい「道具」を生み出して、世界に向けて発表をすることは、ほかの誰かが新しいものを生み出すためにも、とても重要なことなのです。

ビタミンD3で、制がん作用のある新薬を開発中

 天然のビタミンD3(化合物)は、カルシウム代謝を助ける作用があることから、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の治療薬として知られています。このビタミンD3の構造を少し変えると、カルシウム代謝を起こさないで、「制がん」に結びつく効果があるということがわかってきました。そのほかにも、プロスタグランジンという、体内の生理活性物質からアトピー性皮膚炎の炎症を抑える軟膏を生み出すことができました。これらのように、天然の化合物の構造を少し変えることで、新しい誘導体(化合物)を作った成果です。新たな「道具」づくりは、こうした新薬の開発につながる場合もあるのです。


この学問が向いているかも 有機化学

神奈川大学
工学部 物質生命化学科 教授
岡本 専太郎 先生

メッセージ

 「大学はみんなが行くから」ではなく、大学に行くこと自体を選択して入学してほしいと思います。最近はオープンキャンパスなど、リアルな大学の姿を体験できる場がたくさんありますから、億劫(おっくう)がらず足を運んでほしいです。この成績だからこの大学・この学部ではなく、実際に大学の先生に話を聞きに行ったり、実験室を訪ねたりすることで、大学でできることがより鮮明になります。それから、理系の人でも文系の本をいっぱい読んでほしいです。理系でも文系的な教養もある、知的でかっこいい人になってほしいと思います。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

化成品会社合成系・材料系研究員/電気電子会社材料系研究員/有機物質製造会社研究員/香料会社研究員/製薬会社MR/メーカー技術営業/薬品製造会社研究員/食品会社研究員

大学アイコン
岡本 専太郎 先生がいらっしゃる
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 神奈川大学は、「横浜」と「湘南ひらつか」の2キャンパスに全8学部を擁する総合大学です。
 2020年4月には国際日本学部を開設。さらに2021年4月には新たに「みなとみらいキャンパス」を開設し、グローバル系3学部が集結します。
 返還不要の奨学金制度も充実。「神奈川大学給費生制度」では、12月下旬に全国で実施される「給費生試験」で給費生として採用され、入学すると4年間で最大840万円の奨学金を給付します。給費生として採用されなくても、試験の成績優良者は2月の一般入試を免除して入学が許可されます。

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