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講義No.02891

日本発・世界最強磁石が地球を守る!

常に世界をリードしてきた日本の磁石開発

 子どものおもちゃからハイテク機器まで、磁石は私たちの暮らしに欠かすことができません。磁石の歴史は紀元前からと古いですが、人工磁石の歴史は意外に浅く、1917年のKS鋼が最初です。この発明者が、東北帝国大学教授だった本多光太郎氏です。以来、日本は磁石の開発において常に世界をリードしてきました。そして、現在最も強い力を持つのが、1984年にやはり日本人の佐川眞人氏が発明したネオジム磁石です。これは、KS鋼の約60倍の強さで、直径3cm×高さ5cmの大きさで5t程度の重さのゾウをも持ち上げてしまいます。携帯電話やパソコンの小型化、またハイブリッドカーの開発も、このネオジム磁石の存在なくしてはありえなかったでしょう。今やあらゆるハイテク機器や電化製品が、小型化・省エネ化をめざしていますが、高性能な磁石を使った小さくて消費電力の少ないモーターは、その切り札として特に期待されています。

さらに高性能な磁石をめざして

 ネオジム磁石をさらに強くする方法が国をあげて研究されています。磁石の性能は、「磁化」と「保磁力」によって決まります。開発以来、改良が続けられているネオジム磁石の磁化は、既に理論値の97%にまで達していますが、保磁力はまだ12%程度です。また、この磁石には高温になると性能が落ちるという欠点があります。そこで、組織をナノ(10億分の1m)レベルまで細かくする技術や、結晶の界面(接触している面)の欠陥を減らす(界面制御)技術などを用いて保磁力を高め、高温に強くする研究が進められています。

地球規模の省エネにつながる高性能磁石の開発

 現在、日本国内の全電力消費量の約50%が、モーターによるものです。さらに高性能な磁石を開発してモーターの消費電力を1%減らせば、原子力発電プラント1基分に相当するエネルギーの削減が可能と言われています。「地球環境を守るカギは磁石にあり」と言っても過言ではありません。高性能磁石の開発には、地球の未来がかかっているのです。


この学問が向いているかも 材料科学、材料工学

東北大学
工学部 材料科学総合学科 知能デバイス材料学コース 教授
杉本 諭 先生

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メッセージ

 新しい材料を開発することは、簡単なことではありません。基礎をしっかりと学び、その知識と経験を生かして粘り強く研究し続けることが必要です。しかし、一つの新材料の発見が、世界平和や産業界の大きな改革に結びつき、社会を大きく変える可能性もあります。したがって材料研究は、自分を高め、世の中にも貢献できるやりがいのある仕事です。自分の中で限界を設定せず、より上をめざしてがんばりましょう。また、材料学は、グローバルな研究分野です。高校生のうちから英語もしっかり勉強しておくと、あとあと役に立つと思いますよ。

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 建学以来の伝統である「研究第一」と「門戸開放」の理念を掲げ、世界最高水準の研究・教育を創造しています。また、研究の成果を社会が直面する諸問題の解決に役立て、指導的人材を育成することによって、平和で公正な人類社会の実現に貢献して行きます。社会から知の拠点として人類社会への貢献を委託されている東北大学の教職員、学生、同窓生が一丸となって、「Challenge」、「Creation」、「Innovation」を合言葉として、価値ある研究・教育を創造して、世界の人々の期待に応えていきたいと考えます。

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