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講義No.02810

映画史や映画理論の研究が映画を活性化する

映画史は映画理論とともにある

 映画はほかの芸術に比べて大変若く、まだ117年の歴史しかありませんが、映画がまだよちよち歩きの頃から、作り手をはじめ批評家たちは、映画とは何か、映画の本質とは何かについての思索を重ねてきました。既にある映画を理解し、まだ見ぬ映画を夢想する営みの繰り返しが映画史を作ってきたのです。

アンドレ・バザンの映画理論と映画批評

 ここでは、フランスの映画批評家・理論家アンドレ・バザンの考え方に注目してみましょう。
 彼の活躍した1940~50年代は映画が生まれて50年経った頃。そろそろ本格的に「歴史」として映画の歩みを振り返ろうという意識が出てきた時でした。パリのシネマテークやシネクラブで古今東西の過去の作品が上映され、そこに集った映画狂たちが日夜熱い議論を交わす。バザンはこうしたグループの輪の中心にいました。
 バザンが主張したのは、「映画は現実を映し取るものだ」ということです。映画は現実を映したものから始まりましたが、すぐに人間の想像力を反映して虚構の物語の世界になり、やがて物語にとって不要なものはあまり重視されないようになっていきました。バザンはあえて原点に戻って、映画の一つ一つの映像に映りこんだすべてのものに改めて注目したいと考えたのです。50年代末から60年代にかけて現れた「ヌーヴェル・ヴァーグ」(「新しい波」の意)の作品群にはバザンの考え方が色濃く影を落としており、現実をみずみずしく映し、描き出す新しいスタイルが評判になりました。このように、映画理論や批評が新しい映画を生み出す力になることもあるのです。

映画という山を登る方法はいろいろある

 映画は理屈では撮れないのだから理論や批評は不要だという意見もあるでしょう。しかし、映画を作っている人たちも、常に頭の中で映画とは何かを問い、「映画理論」を作り出しているのではないでしょうか。「映画理論」は映画を言葉で問い、言葉でつかまえようとする学問です。いわば、創作と映画理論は、映画という1つの山を登る2つの登山道なのです。

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この学問が向いているかも 映画学

日本映画大学
映画学部  准教授
伊津野 知多 先生

先生の著書
メッセージ

 大学はいろいろな「電波」の流れている場所。教える側はそれぞれの周波数で電波を発しています。どんなアンテナでもいいからまずは立ててみてください。最初はノイズに聞こえたものがクリアに聞こえるようになるかもしれませんし、きれいに聞こえた音が、なんとなく違うなと感じられるようになるかもしれません。そうやって自分のチューニングをする場所が大学だと思います。私自身も入学前に考えていたものとは違う学問を専門分野にすることになりました。あなたにも、自由な気持ちでいろいろなものを見つけるつもりで来てもらえたら、と思います。

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 日本映画大学は、日本で初めての映画単科大学として2011年春、開学いたしました。
 母体の日本映画学校は、数多くの監督や脚本家、撮影や編集、録音の専門家を世に送り出してきました。
 仕事にすることはもちろん、観客になることも含めて、映画は一生のもの。あらゆるモノづくりの原点としての映画を学び、表現力、伝える力、チームワーク、コミュニケーション能力といった社会に出てから必須である能力を磨いていきましょう。

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