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鳥取大学 農学部の教員による講義

関心ワード
  • 湿原、
  • 自然、
  • 環境、
  • 植物、
  • 生態系、
  • 再生

さまざまな生物が息づく湿原を守る

湿原は豊かな自然の宝庫

 土地が低い場所にあって水が溜まりやすいところ、湿っていて歩くと水のなかにズブズブ足がつかってしまうところ、しかしきれいな水が湧いているので植物や動物がやってきて豊かな自然が育まれるところ、それは「湿原」です。日本最大の高層湿原である尾瀬や北海道の広大な釧路湿原を知っている人も多いことでしょう。

適度に人間が手を入れることも必要

 湿原には絶滅の危機にひんしている植物が多く、人間が最も壊してしまった生態系と言えます。西日本には尾瀬や釧路湿原ほどではなくても、小さな湿原が点在していました。鳥取県だけでも14~15箇所ほどあったのです。しかし湿原は放っておくと、毎年生える植物が折り重なることで地面が上がり、乾燥していきます。そうすると陸と変わらなくなり、湿原特有の植物が失われてしまいます。西日本の小さな湿原は放置して保てる場所ではなく、適度に手を入れることも必要なのです。

湿原を再生させるには

 湿原は、植物の堆積や水の汚れなどのよくない要因を取り除けば、少しずつ回復していきます。維持するために地下水をくみ上げる装置や、土地に合わせて小さなダムをつくるなどの取り組みが行われています。また今あるものを効率よく利用する方法も考えられています。例えば、高速道路の建設予定地にある湿地を残すために、道路の路線を変更したことがありました。その時、近くのトンネルから湧き出た水を湿地に流れ入れるような装置をつくり、保全に役立てています。従来は下水に捨てられたような水を活用したのです。
 技術で土地の環境を整えることはできても、それで動物や昆虫が必ずやって来るかと言えば、そうとは限りません。しかしこれまでに土地の環境を整えたことで、生態系が再生された例がいくつもあります。新しくつくった環境でトンボが羽化したり、数キロ以上も離れた場所から飛んできた蝶や鳥などがすみつき、いつの間にか自然の営みが始まっているのです。人間は土地環境を整えたら、後は自然の力で生態系が再生するのを待つしかありません。

この学問が向いているかも 生態工学、生態学、土木工学、造園学


農学部 生命環境農学科 里地里山環境管理学コース 教授
日置 佳之 先生

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メッセージ

 私は高校時代、山へばかり行っていました。今も好きな自然と関わる仕事をしていますが、講義も室内の教室だけでなく、実際に山や森に出かけて行うことが多くあります。好きなことを仕事にするには、何より続けることが大切です。ちょっとしたことでくじけないで、あきらめずに続けていくと、やがて道は開けていきます。社会に出て、「自分はコレができる」とアピールするためには、好きなことを仕事にした方がいいと思います。自分のペースで構わないので、しっかりやりたいことを考えて目的に向かって進んでください。

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