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講義No.02704

歯科矯正の最新事情に迫る

矯正の歴史はまだ100年余り

 歯科矯正の歴史は、アメリカに端を発しています。始祖と言われるエドワード・アングル博士が、歯科矯正の理論を発表したのは20世紀初頭のことです。それ以前は、まだ歯列の乱れは審美的な問題と考えられていました。アングル博士は、かみ合わせ(咬合)という概念を初めて提唱し、歯科矯正の基礎理論を生み出した人なのです。そして現在では、さまざまなアプローチで歯科矯正の研究が進められています。

民族によって異なる骨格と歯並び

 上あごと下あごの位置は、個人によってそれぞれ異なります。そこで、顔の骨格にあるさまざまな計測ポイントを数値化することで、男女の各年齢における平均的な骨格を割り出すことができます。これを患者さんの骨格と比較することで、どういった治療を行うべきかを検討します。また、白人や黄色人種など、民族の違いによっても骨格には大きな特徴が現れます。その骨格の違いが歯並びに大きな影響をおよぼすことから、不正咬合も遺伝によるものではないかと考えられ、今では遺伝子レベルでの研究が進められているところです。

課題は高齢者の歯科矯正

 北海道大学病院では現在、18歳以上で矯正治療を始めようと考えている人は、45%に達しています。しかし、1970ごろには、たったの5%しかいませんでした。なかでも30歳以上で歯科矯正を考える人は、1970年ごろにはゼロだったのです。ところが、現在では11%に達し、さらに50歳以上の人も3%を超えています。このように、50歳以上の人たちでも歯科矯正を求めるようになってきたため、今後、高齢者にどういった治療を施すべきかが現在の研究テーマとなっています。これまでの矯正治療は、子どものころから始めるものとされていました。そのため、高齢者に対する治療について、研究があまり行われてこなかったのです。確かに、歯を支える役割を果たす歯根膜(しこんまく)の機能は、年を経るにつれ少しずつ低下していきます。しかし、60歳以上でも矯正治療は十分可能であることがわかっています。

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この学問が向いているかも 歯科矯正学

北海道大学
歯学部 歯学科 教授
飯田 順一郎 先生

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メッセージ

 病気の研究や教育は、どれも患者さんの病気を治すためのものです。人の幸せのために自分の一生を捧げる医療の世界は、とてもやりがいのある職場です。病院に来る患者さんは、どの方も医者に対して訴えたい切実な病状を抱えています。一刻も早く患者さんを安心させてあげられるよう、書物で得た知識だけでなく、あなたが実際に体験して得た知識や経験を生かして、的確な判断をくだせるようになってほしいですね。

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飯田 順一郎 先生がいらっしゃる
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 北海道大学は、学士号を授与する日本最初の大学である札幌農学校として1876年に創設されました。初代教頭のクラーク博士が札幌を去る際に学生に残した、「Boys, be ambitious!」は、日本の若者によく知られた言葉で本学のモットーでもあります。また、140余年の歴史の中で教育研究の理念として、「フロンティア精神」、「国際性の涵養」、「全人教育」、「実学の重視」を掲げ、現在、国際的な教育研究の拠点を目指して教職員・学生が一丸となって努力しています。

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