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講義No.02256

農産物の関税はなぜ高い?

コンニャクイモの関税は「1,700%」!

 日本では国内の農家を保護するため、海外から輸入する農産物に高い関税をかけています。例えば、米は約800%、エンドウ豆は約1,100%、コンニャクイモにいたっては約1,700%もの関税をかけています。1,700%の関税とは、1万円で輸入した商品に17万円の税金をかけるということであり、国内の農家がいかに手厚い保護を受けているかがわかります。
 このような関税によって貿易には制限がかかっており、保護主義には政治的な要因が強く働いているのです。

保護主義の弊害

 保護主義の弊害は、保護主義によって得をするのは少数の人たちで、国全体では損をしていることにあります。つまり、日本の農家は海外の安い農産物と価格競争することなく、高い生産コストはそのままに、利益をのせて消費者に売ることができます。一方、消費者は海外から輸入すれば安い農産物を買えるはずなのに、政府が高い関税などを設定して輸入を規制しているため、割高な国内の農産物を買わざるを得ない状況になっているのです。
 例えば、ある作物を作る農家が10軒あったとしましょう。その作物が高い関税で保護されていることにより、1億円の利益を得ることができるとします。すると1軒あたり1千万円という大きな利益になるため、10軒の農家はまとまって行動し、国会へ出向いたり、地元議員に陳情したりするなど、農産物の輸入を規制するよう働きかけるのです。
 これに対し、その関税によって消費者には10億円のコストが生じており、消費者は1億人いるとします。すると、1人あたり10円のコスト負担であるため、わざわざ電車に乗って国会へ押しかけて苦情を言ったりはしません。したがって、政治的に意図された高い関税は維持されてしまうことになるのです。
 今後、貿易に大きく依存するであろう日本では、輸出と輸入規制のバランスをよく考えて、政策を決定していくことが求められます。

自由貿易は環境を破壊する? 

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この学問が向いているかも 大学院 経済学研究科

一橋大学
大学院 経済学研究科  教授
石川 城太 先生

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 大学ではすぐに役立つ知識を求めるのではなく、「物事の本質は何なのか、どんな考え方があるのか」をじっくりと学んでいくことが大切です。経済学には「目からうろこが落ちる」ような考え方がたくさんあり、社会がどんな仕組みで動いているのかを理解することができます。例えば、消費税が上がると私たちの暮らしはどういう影響を受けるのか、日本と外国が自由貿易協定を結ぶとどんなことが起きるのかなど、経済学のツールを使って知ることができます。大学では社会の動きを知るための、「いろいろな考え方」を学んでほしいと思います。

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