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講義No.01632

材料の強さを非破壊的に調べる

内部摩擦を測定して、壊さず材料の強さを調べる

 構造材料の強さを調べるために、材料を壊さないで調べる「非破壊検査」という方法があります。強さを調べるためには、引っ張ったり、のばしたり、叩いたりして調べる方法が基本です。しかし、このような破壊検査では、例えばセラミックスは割れてしまい、強さの本質を知ることができませんし、LSI(大規模集積回路)用の配線は、配線膜自体が基板上に直接のっているので破壊検査で調べるのが難しいのです。そこで、「内部摩擦」を測定することで、壊さずに強さを調べることができます。例えば、お寺の鐘を鳴らすと、最初「ゴーン」と大きな音がします。空気抵抗でも振動は減衰していくのですが、物体内部にも振動を減衰させる原因があるので、真空中で鐘を振動させても、振動はやがて止まってしまいます。この減衰の仕方を調べることで、材料の力学的な強さを知ることができます。加えた力による、ひずみの出方を「応力-ひずみ特性」と言い、内部摩擦を測定することで、これを非破壊的に調べられるのです。また、内部摩擦が大きく、振動がきわめて早く収まる材料を「制振材料」と呼び、振動を防止する材料として自動車用などに使われ、非常に重要です。

完全な結晶は存在しないので、金属は変形できる

 転位(ディスロケーション)という、格子欠陥(結晶の配列の乱れ)があります。完全結晶というものは一般的には存在せず、原子が抜けていたり、原子の並び方が乱れているという状態がごく普通に見られますが、原子の並び方のズレの一つが転位です。針金を曲げたときにも、この転位が結晶格子の中を移動することで、簡単に曲がってしまうのです。弾性変形では原子と原子の間隔が変化するだけで、外力を取り除くとバネのように元の状態に戻ってしまいますが、ある程度以上の外力を加えると、転位が動くことによって、破壊せず変形する塑性変形を起こしているのです。金属の硬さ・強さ(変形のしにくさ)は転位の動きやすさが決めていると言えます。


この学問が向いているかも 工学部

名古屋工業大学
工学部 物理工学科 材料機能分野 教授
西野 洋一 先生

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メッセージ

 工業製品を作るには、さまざまな材料が必要ですが、材料工学の中で最終製品を直接生み出すことはありません。しかし、半導体産業にしても半導体という材料が発見されなければ産業として成立しなかったでしょう。新物質の発見、新材料の開発があってこそ、新しい応用製品が生まれてくるのです。エネルギー・環境問題に関心があり、“ものづくり”工学の根幹を成す領域を研究する、勉強するといったことに興味がある人は、ぜひ材料工学の分野に来て一緒に研究開発を行いましょう。

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 名古屋工業大学は、世界のものづくりの中心地である中京地区の工学リーダーとして、技術イノベーションと産業振興を牽引するにふさわしい高度で充実した教育研究体制を整備しています。さらに国内の工科系大学のみならず、世界の工科系大学と連携することにより、工科大学の世界拠点として、異分野との融合による新たな科学技術を創成し、有為の人材を数多く世に送り出そうとする構想をもっています。

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